"「お前は家族じゃない」と言った夫へ" 第6話
「そうだぞ美智子! 親を見捨てる気か! 世体が悪くて親戚に顔向けできないだろ!」正彦も顔を真っ赤にして喚き散らした。
「見捨ててなんていません」私は元の類の端を指先で弾いた。「公な介護保険の枠内で受けられるサービスの続きは、すべてケアマネジャーのさんに引き継いであります。事や排泄の最限の公介助は受けられますよ。ただ、保険適用の『贅沢な乗せ』を解約しただけです。どうしてもあの理学療法士や専属ヘルパーを続けたいなら、実の子どもたちでおをしってください」
「くそっ……!」
正彦は吐き捨てるように言うと、スマートフォンを掴んでリビングをびしていった。弟の弘と、妹の恵子を呼びすつもりなのだ。自分ひとりでは払えないから、兄弟で割りにしようと泣きつくに決まっている。
そのの夜。佐藤のリビングには、苦しい空気がち込めていた。
急遽呼びされた義弟の弘と、義妹の恵子が、眉をひそめて座っている。テーブルのには、あの青い請求が置かれていた。
「……で、話って何なのよ、お兄ちゃん。急に呼びしたりして」恵子がブランド物のバッグを膝のに抱え、嫌そうに言った。
正彦は額の脂汗をハンカチで拭いながら、懇願するように言った。
「母さんの介護費用のことなんだ。
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実は、これまでのいサービスを維持するのに、に万くかかってる。俺の料だけじゃどうしても無理なんだ。だから、で均等に割って……万ずつ、しってくれないか?」
その瞬、弘が吹きした。
「はあ? 万? 兄貴、何寝言言ってんの?」
「寝言じゃない! 母さんのためだぞ!」
「るかよ」弘はたく吐き捨てた。「俺には俺の活があるんだよ。子どもの学の学費だってかかるんだ。それに、このとを将来相続するのは、男である兄貴だろ? 親の面倒を見る代わりに実を継ぐって、昔からそう決まってただろ」
「そ、それはそうだが、親の扶養義務は子ども全員にあるんだぞ!」
「都のいいだけ兄弟平等面しないでよ」今度は恵子がを挟んだ。笑を浮かべ、爪の入れをしながら言った。「私なんて嫁にたよ? 実の介護なんて、同居してる男夫婦がやるのが当たりじゃない。だいたい、今までは美智子さんが文句も言わずに全部やってくれてたんでしょ? なんで急に私たちにおを無してくるわけ?」
「美智子が……美智子がもうをさないって言いしたんだよ!」正彦がけない声で叫ぶ。
恵子は台所にっていた私を瞥し、で笑った。
「なによ美智子さん、急にケチくさいこと言いして。男の嫁としての自覚がりないんじゃないの? お母さんに何かあったら、所にどう申しきするつもり?」
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私は洗い物をしていたを止め、振り返った。りすら湧かなかった。あまりにも予通りの醜さに、ただただ乾いただけが胸を支配していた。
「恵子さん」私は静かに言った。「先の伊豆旅で、お義母さんは私に『族じゃない』と仰いました。恵子さんも、笑って頷いていましたよね」
恵子の顔が瞬、ピクリと引きつった。
「そ、そんなの、ただの冗談に決まってるじゃない。本気にする方がおかしいわよ」
「冗談? 、の世話をし、事を作り、毎万円をし続けてきたを『族じゃない』と排除したのが、冗談で済むとっているの?」
「な、なによ……! 謝くらいはしてたわよ!」
「謝しているのセリフではありませんね」私は弘と恵子のに歩み寄った。
「私はもう、円もしません。契約者名義も引き落とし座も、すべて男である正彦さんに変更済みです。もしおがおをさないなら、来からお義母さんの個別リハビリも専属ヘルパーも、すべて止になります。文句があるなら、兄妹で裁判所で扶養請求の調でも起こして、話しってください」
「な……っ!」弘が絶句した。
「ふざけないでよ! そんなの親孝じゃないじゃない!」恵子が切り声をげる。
「ええ、親孝ではありませんね」私は微笑んだ。「だって、私の親ではありませんから」
「美智子、おいい加減にしろ!」