みかん小説
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"「お前は家族じゃない」と言った夫へ" 第2話

そして正彦にとっては、親族や世に「親孝な男」という派な板を掲げさせてくれる、無償の台裏スタッフだったのだ。

私は、膝のの着物の裾をきつく握りしめた。 爪がのひらにい込んで、鈍い痛みがる。

涙は、なかった。 議なほど、界は澄み渡っていた。

ただ、ずっと私を縛りつけていたい鎖が、いま義母の乾いたひと言によって、完全に断ち切られたことだけを悟った。

もういい。 もう、分だ。

私はスマホを取りし、メモ帳のアプリをいた。 震える指で、静かに打ち込んだ。

『佐藤節子様 民介護契約・自費支援の終について』

旅から戻った翌週の曜。 常は、何事もなかったかのようにきしていた。

「おい美智子、今の夜は取引先と飯ってくるから。母さんの夕飯、肉はさく刻んでやれよ。噛めないって言ってたからな」

正彦は玄関で革靴を履きながら、ネクタイをえてそう言った。 私を瞥することすらない。

「わかりました」 私は台所から、く返事をした。

正彦がていくと、奥の寝から壁を叩く音がした。 義母が杖でを突いている図だ。

「美智子さん! お茶! ぬるめにしてちょうだい!」

以の私なら、を止めてりで駆け寄っていただろう。 「はい、今お持ちしますね」と笑顔を添えて。

けれど、私はコンロのをめ、丁寧に急須でお茶を淹れた。

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急ぐことも、慌てることもない。 湯呑みを盆に載せ、寝の引き戸を静かにける。

「遅いわねえ。喉がカラカラよ」 義母はベッドのでふんぞり返り、テレビのワイドショーを眺めていた。 「今週の曜、訪問リハビリの先が来るでしょう。あの先、最が悪いのよ。もっと若い、気の利くに担当を変えてちょうだい」

義母が受けている訪問リハビリは、介護保険の枠で契約している自費サービスだった。 週に回、専の理学療法士がマンツーマンでみっちりマッサージと歩訓練をう。 保険適用のため、回あたり万千円。 に直せば、それだけで万円くになる。

さらに、毎の活支援として頼んでいる民の事・体介護の混プラン。 保険適用のヘルパーでは対応できない「好みの付けの個別調理」や「庭の入れ」「の話し相」をカバーするための乗せサービスが、に万円。

わせて万円。 すべて、私の個名義の座から引き落とされていた。

「担当の変更ですね。わかりました、事業所に伝えておきます」 私はを交えず、淡々と答えた。

「あとね、恵子が週末にまた来るって言うから、あの子の好きなメロンを取り寄せておいて。て替えておいてくれればいいから」

て替える、と言って義母がおを返してくれたことなど、こので度もない。

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正彦もそれをっていて、見て見ぬふりをしてきた。 「母さんも悪気はないんだから、美智子がうまくやってくれよ」 それが夫の癖だった。

「承しました」

私は静かにをげ、部をた。

午。 義母がデイサービス(これも自費で延利用をつけていた)へかけたのを見計らい、私は枚の類を鞄に入れてをた。

向かったのは、域包括支援センターと、義母の担当ケアマネジャーが所属する居宅介護支援事業所だった。

相談のパイプ子に座ると、担当ケアマネのさんが穏やかな笑みを浮かべて迎えてくれた。

「佐藤さん、お疲れ様です。お母様のご様子はいかがですか? 先の伊豆旅、無事にけたようでしました」

「ええ、おかげさまで」

私は鞄から、クリアファイルを取りした。 には、私がこれまで個に契約していた民訪問介護事業者、自費リハビリ事業者への解約通、そして今の支払いに関する委任・変更依頼が入っていた。

「さん。本は、今の介護体制について、正式にお伝えしたいことがあって伺いました」

私の声のさに、さんが表を改めた。

「どういったことでしょうか……?」

「来をもちまして、私が個で契約・負担しておりました自費の訪問リハビリ、および乗せの活支援サービスを、すべて解約いたします」

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