"七年越しに再婚する私✕見知らぬ子と失踪夫" 第7話
私はすぐに結に話を繋ぎ直した。
「結、私の声をよく聞いて」
『お母さん……私、やっぱり悪い子だよ……あんなにさい子が苦しんでるのに……』
「悠斗くんのお母さんと、今緒にいるの」
受話器の向こうの結が、息を呑んだ。
「理さんが今、隣にいて教えてくれたわ。悠斗くんは今、もがって落ち着いてる。その画は、先週の番しんどかった瞬を、浩さんが勝に切り取ってあなたを脅すために送ったものよ」
『え……?』
「結ちゃん」
理さんが、私のスマートフォンに向かって泣きながら叫んだ。
「ごめんなさい……本当にごめんなさい! あんな男の言葉に振り回されないで! あなたを脅して悠斗を助けてもらおうなんて、母親の私はミリも望んでないから!」
結のすすり泣きが、しずつ静まっていった。
恐怖と罪悪の檻から、娘のが引き戻されていくのをじた。
「結、すぐに帰るから。鍵を閉めて待ってて」
通話を切った、私は理さんと連絡先を交換し、病院での主治医との面談を共にう約束をしてをた。
をらせて自宅に戻ると、結はリビングのソファので、膝を抱えてさくなっていた。
駆け寄って抱きしめると、娘の体はまだ微かに震えていた。
「お母さん……」
「丈夫よ。理さんは、とてもまともなだった。浩さんの嘘を、全部暴く方になってくれる」
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結は私の胸に顔を埋めた。
そのを撫でながら、私のの片隅で、ずっと引っかかっていたつの「違」が急激に膨らんでいった。
週、浩が結に送ってきた最初のダイレクトメッセージ。
そのにあった言葉。
『お父さん、ってたの。私がさい頃に好きだった絵本の題名も……歳のとき、所の公園の滑り台で転んで、の膝を針縫ったことも』
それはいい。昔緒に暮らしていた父親なら、覚えていて当然の記憶だ。
だが、結がそのにポツリと漏らした言葉が、私の記憶の底から蘇ってきた。
――『お父さん、私がのの唱コンクールで青いドレスを着て、最のフレーズで泣いたのをってた』。
胸の奥が、たくざわついた。
「結」
私は娘の肩を両で掴み、まっすぐにその目を見つめた。
「お父さん、その唱コンクールのこと、に何て言ってた?」
結は涙を拭いながら、議そうに眉を寄せた。
「え……? 『青いドレスがよく似ってた』って。『最のソロパートをい終わったあと、極まって涙を拭ってただろう』って……」
背筋に、氷を流し込まれたような戦慄がった。
「待って」
私は息を呑んだ。
「結、の唱コンクールって……学内の講堂でやった、保護者すら入れない内選考会じゃなかった?」
結の目が丸くなった。
「……あ」
「部への般公は切なかったはずよ。
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画の配信も、学のホームページへの写真掲載も、個報保護の観点から全部禁止されていた。保護者が見られたのは、配られた記の集写真の黒プリントだけよ」
結の顔から、急速に血の気が引いていくのが見えた。
「じゃあ……なんで……」
「ネットで見たはずがないのよ」
私の声がく震えた。
あの内選考会で、結が着ていたのは、私がリサイクルショップで探してきた物の青いドレスだった。
そして、い終わったあとに結が極まって泣いたなんてシーンは、台の正面から双鏡でも使って見ていなければ、絶対に分からない細部だ。
あの男は、っていた。
誰かから聞いたのではない。
「……客席に、いたんだ」
結が震える唇で呟いた。
「、お父さんは……あの学の講堂にいたの……?」
。
悠斗くんは、すでにまれていた。
あの男が、理さんとしい庭を築き、悠斗くんを抱きしめて暮らしていた期だ。
私は震えるでスマートフォンを操作し、浩のLineをいた。
メッセージを打ち込む指先が、りで痙攣しそうになるのを必で抑え込んだ。
『の、結のの唱コンクールの講堂に、あなた来ていたわね』
送信ボタンを押す。
数秒、既読がついた。
だが、返信は来ない。
沈黙。
逃げを失ったの、嫌な沈黙。
分、いテキストが返ってきた。
『何の話だ。から聞いたんだよ』
嘘だ。
『誰から? 保護者すら入禁止だった学内選考会を、誰があなたに教えるの?』