"七年越しに再婚する私✕見知らぬ子と失踪夫" 第6話
』
その付を見た瞬、胸の奥を鋭いナイフで抉られたような痛みがった。
の、。
帳を見返さなくても、あののことは昨のことのようにいせる。
学に入学したばかりの結が、初めての連休に、リビングの隅で体育座りをして泣いていただ。
『お父さん、今くらい帰ってきてくれないかな。学になった私を、見てほしかったな』
そう言って涙をこぼす娘の背を、私はかける言葉も見つからず、ただ抱きしめることしかできなかった。
あの。
私たちが暗い部で涙を流していたまさにその、あの男は眩しい太陽ので、別の妻子を抱きしめて笑っていたのだ。
指先が震えた。
写真の端を握る力がすぎて、爪がくなる。
隠し財産があったわけでも、豪邸にんでいたわけでもない。
どこにでもある、ありふれた族の休。
ただそれだけの写真が、どんな罵倒よりも残酷に、私と結のを嘲笑っていた。
「……真紀さん」
理さんが、怯えるように私の顔を見つめた。
「悠斗のこと……憎いですか」
「いいえ」
私は即座に答えた。
「あの子に罪はありません。憎むべき相を違えるほど、私は落ちぶれていません」
理さんの瞳から、粒の涙がボロボロとこぼれ落ちた。
「浩さんね……悠斗が倒れて、移植が必かもしれないって言われた途端、急に言いしたんです。
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『実は、んだと言っていた妻とのに、娘がきている』って」
「……」
「『妻が酷な女で、婚のに娘を奪われ、度と会わせないと脅されていた』『本当はずっと引き取りたかったのに、あの女のせいで会えなかったんだ』って……」
どこまで自分を正当化すれば気が済むのか。
自分は常に被害者で、周囲のが自分を追い詰める悪者。
そうやって現実の責任から逃げ回り、にを塗りたくってきたのが、浩という男の正体だった。
そのとき、私のバッグのでスマートフォンが激しく震えた。
画面を見ると、自宅にいるはずの結からの着信だった。
「ごめんなさい、娘からなのでます」
通話ボタンを押した瞬、受話器の向こうから結の過呼吸のような泣き声がび込んできた。
『お母さん……っ! どうしよう、どうしよう……!』
「結!? どうしたの、落ち着いて!」
『お父さんから……画が送られてきて……!』
結の声は恐怖で完全に引き裂かれていた。
『悠斗くんが……悠斗くんが苦しそうにしてて……っ!』
私は背筋が凍るのをじながら、急いで話を切らずにスピーカーフォンにした。
理さんも顔を変えてを乗りしてくる。
結のスマートフォンの画面を、私の端末に転送させた。
届いたのは、秒ほどのい画だった。
無菌とわれる暗い病のベッド。
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悠斗くんのさなには酸素チューブがつけられ、細い腕には何本もの点滴の管が繋がれていた。
がいのか、顔を真っ赤にして苦しそうに呼吸をしている。
その枕元で、カメラを構えている浩の、く芝居がかった声が入っていた。
『悠斗、お姉ちゃんに言言ってごらん』
悠斗くんは、く目をけ、力なく唇を震わせた。
『おねえちゃん……たすけて……いつ、きてくれるの……?』
画はそこで途切れていた。
そして、その画に添えられた浩からのテキストメッセージ。
『結、これを見てもまだ迷うのか? おが検査を拒否しているにも、弟はこうして苦しんでいるんだぞ。おにはのがないのか? 母親のくだらないに付きって、弟を見殺しにする気か』
「……っ!」
理さんがちがり、テーブルをでく叩いた。
内の線が斉にこちらを向いたが、理さんは気に留める様子もなく、りに震えて肩をらせていた。
「何これ……何なのこれ!? 悠斗は先週、に肺炎を併発してがただけで、今は解して般病棟で絵本を読んでるわよ!」
「え……?」
「先週、私が買いしで病をれた分のに撮ったんだわ……! あの子が番苦しんでいた瞬の画を撮って、の娘を脅す具に使うなんて……の親のすることじゃない!」
母親としての理さんの激昂が、静かな内に響いた。
浩は、歳のが子の苦痛すら、歳の娘の罪悪を煽るための具として利用していたのだ。