"七年越しに再婚する私✕見知らぬ子と失踪夫" 第2話
この子をこんなところでち尽くさせろとでも言うの?」
浩が言葉に詰まり、喉を鳴らした。
スタッフにに指示をし、悠斗くんを女性係員に預けてもらう。
男の子が部をていくとき、結に向かってさなを振った。
結はそれを見て、またボロボロと粒の涙をこぼした。
部のドアが閉まり、だけになった。
「浩さん」
私は静かに言った。
声を荒らげる気すら起きなかった。りをぶつけることすら、この男にはもったいない。
「あの子が病気なのは分かりました。本当に治療が必なら、医療関を通して話を聞きます」
「……話がくて助かる。じゃあ今すぐ結を連れて――」
「話は終わっていません」
私は浩の言葉を鋭く遮った。
「結は、あなたがどこからか調達してきて、都よくすり潰すための薬じゃない」
浩の顔が引き攣った。
「検査を受けるかどうか、何ができるか、何ができないかは、正規の医療順と、結本の自由志で決めることです。あなたの指図で連れていく権利は、ミリもありません」
そのとき、控のドアがノックされ、ゆっくりといた。
タキシードを着た誠さんが入ってきた。
誠さんは部のただならぬ空気を察し、泣きじゃくる結と、私と、見らぬ男の顔を静かに見渡した。
「……真紀さん」
「誠さん、ごめんなさい」
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私はくをげた。胸が張り裂けそうだった。
誠さんは元のさな自修理を営んでいて、器用だけれど、誰よりも誠実なだ。
父のいない庭で育った結のの悩みも、決してしせず、ただ隣で黙ってを傾けてくれただった。
「私の、昔の夫です」
私は事実だけを告げた。
「連れてきたお子さんが、い病気で……今すぐ結を連れていきたいと言っています」
浩は誠さんを値踏みするようにからまで見ろし、で笑った。
「なんだ、あんたがしい旦か。悪いが、今はそれどころじゃないんだ。命がかかってるんでね」
誠さんは、浩の無礼な物言いに眉つかさなかった。
ただ、私の震えるを、温かいきな掌でそっと包み込んでくれた。
「真紀さん。今の式は、延期にしよう」
「え……でも、親戚の皆さんも、誠さんのご族も……」
「いいんだ」
誠さんは結のに優しくを置いた。
「この状態でお祝いなんてできるわけがない。親戚には俺からをげる。式への説も俺がやるから。今はまず、子どもたちのことを番にしよう」
浩の表が、わずかに揺らいだ。
自分がをかき乱し、再婚相をらせて沼の修羅にするはずだったのに、誠さんは切取り乱さず、すべてをみ込んで私を守る盾になったからだ。
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「……結婚式は、私から皆様にお詫びして延期します」
私は浩に向き直り、はっきりと言い放った。
「ただし、あなたが結を今すぐ連れすことは絶対に許しません。話があるなら、、弁護士と医師を交えて公のでいます」
「……チッ」
浩は骨に舌打ちをした。
「母親のくせに、子どもの命より自分のが事なのかよ」
捨て台を残して、男は乱暴にドアをけててった。
その背を見送りながら、私は控の絨毯のに、崩れ落ちそうになる膝を必で堪えていた。
そのの夕方、私たちは自宅のリビングに戻っていた。
誠さんは親族への連絡と式の続きをに引き受けてくれ、「落ち着いたら連絡してくれ」と言い残してへ戻っていった。
静まり返ったリビングで、結はダイニングチェアに座ったまま、度も顔をげなかった。
テーブルのには、めきった茶のカップがつ。
「結」
私は娘の向かいに座り、そのたい両を握った。
「どうして、あの子と緒にいたの? 浩さんと、どこで会ったの?」
結の肩がびくりと震えた。
ポトポトと、涙がテーブルの目に染みを作っていく。
「……週」
消え入りそうな声だった。
「インスタの、メッセージに届いたの。『結、お父さんだよ』って」
私の背筋を、たいものが駆けがった。
週。
あのは、週もから結に接触していた。
「最初は、嘘だとった……。だって、も連絡がなかったし。でも、お父さん、ってたの。