みかん小説
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"夫の死を告げられた夜、届いた私の熟睡写真" 第4話

私は吸い寄せられるように充器にづき、しゃがみ込んだ。 正面の黒いハーフミラーパネル。 スマートフォンのライトを当てて、表面を至距で透かすように見る。

計のデジタル数字「04:12」の、斜めの隙。 の反射のに、針の先ほどの、極のガラスレンズが埋め込まれていた。

「……あ」

声が漏れた。 喉の奥から、酸っぱい胃液がせりがってくる。

「警察官さん、これ……」

配の警察官が眉を寄せてづき、ペンライトで充器を照らした。 息を呑む気配がした。

「……型カメラですね。ピンホールレンズです」

がぐらりと揺れたような気がした。 めまいがして、ベッドの角にをついた。

侵入者が枕元にって写真を撮ったのではない。 このカメラが、ずっとここにあったのだ。 半から。 私がパジャマに着替えるも、疲れてベッドに倒れ込むも、休にで本を読んでいるも。 このレンズが、私の無防備な姿を24、見つめ続けていた。

半からの夫の言葉が、の奥で次々と再される。

『由紀、昨あんまり眠れなかったんじゃない?』 『夜のまで起きてただろ。目のにクマができてるよ』 『あんまり夜更かしすると、体に毒だよ』

私はあの、なんて答えた? 「どうして分かるの? 直さん、隣で寝てたのに」と笑って尋ねた私に、あのはなんて言った? 『寝返りの音で分かったんだよ。

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緒にいれば、それくらい分かるさ』

嘘だった。 あのは、見ていたのだ。 画面越しに、私の寝相を、私の活を、監していた。

「……どういうことなの?」

声が震えた。 涙すらなかった。ただ、得体のれないたいものが、血管のにじわじわと広がっていく。

夫は、なぜ私を監していたのか。 そして今夜の写真は、直がどこか別の所から、このカメラの映像をリアルタイムで確認し、スクリーンショットを撮って私に送りつけてきたということだ。

『今すぐ、寝のドアの鍵を閉めろ』

あの話。 直は、誰かがこの部に入ってくるのをっていた。 カメラの映像を見て、私がまだ起きていることを確認し、警告してきた。

……でも、本当に「警告」だったのか?

もし、私を助けるためなら、なぜ警察を呼べと言わなかった? なぜ、「誰が」入ってくるのかを言わなかった? 『今すぐ鍵を閉めろ』と言って、私をこの寝に閉じ込めたのは―― にいたと、私が顔をわせないようにするためだったのではないか?

にいたの声。 『起きてるんじゃないの?』 『チッ……引くぞ』

あの女の声は、誰だった? 昼、私の話を方に切った、義母の声ではなかったか? そして、あの男の舌打ちは――直の兄、正彦のものではなかったか?

なぜ、義母と義兄は、直が「んだ」と嘘をついてまで、真夜に鍵を使って私のに忍び込んできたのか?

「奥さん、この充器、預からせていただきますね」

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警察官の声で、に返った。 「鑑識に回して、通信ログや映像データを確認します。それと、ご主の事故の件ですが……」

警察官は帳を見つめながら、言いにくそうにをいた。

「のため、阪府警の交通鑑識と事故捜査係に照会をかけました。ですが……昨から今にかけて、川直さんという男性が、あるいは傷を負った交通事故の記録は、阪府全域で件も該当がありませんでした」

ので、張り詰めていた糸がプツリと切れる音がした。

直は、んでいない。 事故など起きていない。

義母の涙も、義兄の徹な指図も、すべてはこの部に入るための―― いや、私から何かをざけるための、嘘だった。

警察官が帰ったのは、空がみ始めた午過ぎだった。 事件性の確認とパトロールの化を約束してくれたが、鍵による侵入未遂では、現犯でもない限りすぐに誰かを逮捕できるわけではない。

残された部は、信じられないほど静まり返っていた。 警察官が持ち帰る直、私は充器の裏蓋がわずかに浮いているのを見ていた。 警察官が袋をつけて裏蓋をけた、からてきたのは、極のWi-Fiモジュールと、規格のマイクロSDカードだった。

『これは証拠品として領置します』

警察官はそう言った。 だが、彼らが気づかなかったものがつだけあった。

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