"孤島に捨てられた母✕式場の主賓席に座る亡夫" 第14話
庭内のくだらない痴話喧嘩と、ビジネスの契約関係は完全に別個のものです。このは警察を呼び、あの女を威力業務妨害で突きすのが筋かと」
世体と、法律の盾。 自分には何の落ち度もない、すべては狂った妻の言いがかりだと言い張る。 、会社の員が焼けんだ事故の夜も、この男は同じ顔をして言い逃れをしていた。
「効ですよ」
修はたく唇を歪め、初めて私に線を向けた。 その瞳には、傍のを蹴ばすような侮蔑が宿っていた。
「の債務だろうと何だろうと、とっくに民事の消滅効は完成している。警察が私を捕まえられる容疑など何つない。今さら現れて何を喚こうが、法はおのような無な老婆の方はしないんだよ」
部の空気が、さらに凍りついた。 娘の美穂が、その父親の酷な言葉に耐えかねたようにさく息を呑んだ。
私は、バッグの底から枚の古びた類を取りした。
昨夜、初島の民宿の仏壇ので、女将から受け取ったもの。 そして、、私が切に保管してきた、夫の会社が残した最の航記録の写し。
それを、マホガニーの机のに滑らせた。
「効……そうね。あなたの個な借や、蒸発したことへの責任は、法律のでは消えたのかもしれないわ」
私の声は、驚くほど静かだった。
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りで鳴る必など、どこにもなかった。 真実は、それ自体が最もい凶器になる。
「でも、修。佐伯会がのあのの朝、自用クルーザーをばして初島まであなたを追いかけてきた理由も……本当に効かしら?」
修の顔から、さっと血の気が引いた。 鏡の奥の瞳が、見かれたまま直する。
机の向こうで、佐伯正臣の眉がねがった。
「……何だと? なぜ、おがそのことをっている」
「昨夜、初島の民宿『潮騒』に泊まりましたから」
私は正臣の目をまっすぐに見据えた。
「女将さんが覚えていましたよ。、夫が無のを残してに消えた翌朝、血相を変えて島に乗り込んできた男がいたと。『藤原修はどこへ逃げた』と、漁師たちに現を掴ませて鳴り散らしていた男がいたと」
正臣の呼吸がくなった。 老運王の記憶の底にある、封印された過の引きしがいていくのが分かった。
「修」
私は夫を見げた。
「あなたがに起こした、あの災事故。佐伯運から請けとして受注していた貨物『第青龍丸』の関災よ。若い員さんが、煙に巻かれてくなったわね」
「……っ」
「警察は、備良の過失を疑っていた。でも、決定な証拠は見つからなかった。なぜなら、あなたがをす直、関の点検記録簿を持ちっていたからよ」
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応接のの温度が、気に氷点までがった。 郎の拓也が息を呑み、父親の顔を見つめる。
「お……何を言って……」
修の声が、初めて震え始めた。 その額から、脂のような粒の汗が滲みし、頬を伝い落ちる。
「あなたはっていたのよ。交換部品の度を承ので、物の国製バルブを取り付けたことを。それが発の原因だとバレれば、単なる業務過失致では済まない。詐欺と未必の故による殺にも等しい罪になる。だから、難事故を装ってんだことにして逃げた」
「鱈目だ! 証拠はあるのか!」
修が机を叩いて鳴った。 だが、その号は、自らの恐怖を覆い隠すための鳴に過ぎなかった。
「証拠なら、あなたが自分で作ったじゃない」
私は机のの類を指先で叩いた。
「、美穂を佐伯運の系列会社にねじ込み、拓也さんと会わせた。そして自分は『本』という偽名を使って、佐伯運の社内文のデジタルアーカイブ化事業の特別顧問に収まったわね」
佐伯正臣の目が、猛禽のように細められた。
「……そうだ。本顧問は、過分の旧の保守記録の破棄とデータ移を、に引き受けていた」
「そうよ。あの男の本当の目は、顧問料なんかじゃない。佐伯運の倉庫に眠っていた、の『第青龍丸』のオリジナル点検原票を、自らので処分することだったのよ」
「な……」
正臣の顔が、りでどす黒く染まった。