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"孤島に捨てられた母✕式場の主賓席に座る亡夫" 第13話

最終便の航刻を、あんたがらなかったはずがない」

美穂の呼吸が止まった。 瞳孔が恐怖で見かれ、私の目を直することができない。

「あんたは、話で言ったわね。『だけでいいから、そこにいて』って」

「それは……式が終わるまで、お母さんに待っていてほしくて……」

「嘘をおつき」

私の静かな言が、娘の臓を射抜いた。

「初の、が吹き荒れるあの孤島で。宿の予約も取らず、着替えも持たせず、携帯の波も怪しいあの所で、を過ぎた女を置きりにすればどうなるか」

「……」

「野宿をすれば凍する。運良く保護されても、元確認で京や横浜の警察に連絡が回る頃には、式はとっくに終わっている」

美穂の唇が刻みに痙攣し、青ざめた肌にたい汗が噴きしていた。

私は、娘の濡れた瞳の奥底を、どこまでもたく見つめ続けた。

「美穂。あんたは、嘘がばれるのを恐れて止めしたんじゃない」

喉の奥から、分の血のが競りがってくるような覚だった。

「あんたは……最初から、私が本当にあの島で消えてしまえばいいとっていたのね?」

「皆様、本の披宴はこれにて旦おきとさせていただきます。速やかにご退をお願い申しげます」

司会者の震えるアナウンスが、え切った会に繰り返し響いた。

巨なシャンデリアので、百を超える招待客たちが蜘蛛の子を散らすようにへと向かっていく。

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誰もが好奇と侮蔑の混ざりった線を砂へと投げかけ、ひそひそと打ちしいながら、逃げるように扉の向こうへと消えていった。

残されたのは、な沈黙だけだった。

に散らばったいびら。 倒れたグラスから流れし、純のテーブルクロスにどす黒い染みを作ったシャンパン。 そして、に突っ伏したまま獣のように咽び泣く娘と、演台の脇でち尽くす元夫。

「……所を変えよう」

く、無を言わさぬ声でそう言ったのは、郎の父親である佐伯正臣だった。 歴戦の運王としてられるその老の顔には、切のが消え失せていた。 ただ、徹なりだけが、そのい眉の皺に刻まれている。

案内されたのは、宴会の奥にあるホテル最階の特別応接だった。

なマホガニーの机。 防音壁に囲まれた密に、空調のい唸り声だけが響いている。 窓のには、午のみなとみらいの青いが広がっていた。に夫が消え、昨私が置きりにされた、あの同じが。

部の央に、私が座った。 向かい側には、佐伯正臣と、その隣で俯いたまま微だにしない郎の拓也。 美穂はドレスの裾を引きずりながら部の隅のソファにへたり込み、両で顔を覆って震えていた。

そして、部の最も奥。 腕を組み、や汗の浮いた額を拭おうともせず仁王ちしている男——藤原修。

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「さて」

正臣が、乾いた音をてて帳を机のに置いた。 その鋭いが、まず演台からりた男に向けられる。

「本特別顧問……いや、藤原修君、と呼ぶべきかな」

修の喉仏が、ピクリといた。 だが、男はまだ諦めていなかった。 培ってきた詐欺師特のふてぶてしさが、再びその顔に張りつき始める。 仕ての良いつ揃えのスーツのボタンを留め直し、背筋を伸ばして見ろすように息を吐いた。

「佐伯会。先ほど会でも申しげましたが、すべてはあの女の狂言です」

淀みのない声だった。 まるで、商談の席で瑕疵のある契約を突っぱねるかのような、平然とした語調。

「私は確かに、昔は藤原という姓を名乗っていた期もあります。しかし、事業の破綻とともに妻とは事実の婚姻破綻となり、母方の姓である本を継いで戸籍もたに理しました。法には完全に清算済みの過です。それを、娘のれ台を狙って乗り込み、法なを請り取ろうとしているに過ぎません」

「清算……?」

私の喉の奥から、乾いた笑いが漏れた。

修は私を瞥すらせず、正臣だけを見据えて言葉をねた。

「会もごの通り、私の佐伯運への貢献は契約に基づく正当なものです。この、顧問として御社の航の拓にどれほど尽力してきたか。

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