みかん小説
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"狂人にされた私と、義母の同じ受診票" 第1話

複の排トレイに、いが裏返しのまま残っていた。

曜の、夜半。 リビングのかりを落とし、さなスタンドライトのかりだけで翌朝の事務類を印刷しようとしたのことだった。

用がなって吐きされたような触があり、指先でそれをめくる。 夫が寝へく直、何かを印刷していた音をぼんやりといした。

会社の見積か、町内会の回覧の原稿だろう。 そうって何気なく裏返した。

番に、朝体のったフォントでタイトルが打たれていた。

『受診に伝える活状況について』

喉の奥が、さく鳴った。

文字のが、すぐにはに入ってこなかった。 受診? 活状況? 夫の持病といえば、先の症と、に度の健康診断で指摘される尿酸値くらいのものだ。

線をへ滑らせた瞬、指先から体温が引いていくのが分かった。

箇条きで、幾つもの項目が並んでいた。

・妻の緒定、および常な被害妄の兆候。 ・共座からの資移について、夫が正に隠蔽しているとの根拠のない追及。 ・「誰かが部の引きしを勝にけた」という迫な主張(施錠の確認を何度も繰り返す)。 ・族や親族が結託して自を陥れようとしている、という言。 ・本に病識は切なく、対話による状況確認が困難な状態。

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番には、丁寧に枠線で囲まれた追記があった。

『本は自分が正常であるとく主張しており、医療関への相談自体に拒絶反応を示す能性があります。医師におかれましては、本の自尊を傷つけぬよう、まずは疲労や更期に伴うの調という名目で診察をめていただければ幸いです。野 隆司』

元のが、刻みに震えていた。 自分の指が震えているのだと気づくまでに、数秒かかった。

……は? 何、これ。

背筋をたい針で撫でられたような悪寒がる。 のが真っになり、肺から空気が抜け落ちていく。

ここにかれている「異常な言」。 そのすべてに、私には覚えがあった。

先、がの普通預から消えた百万円。 宅ローンの繰りげ返済のために、私がパート代を切り詰め、かけて積みてていた定期を崩した直のことだった。

座から唐突に引きされていたについて尋ねた、夫は困ったような、ひどく優しい顔でこう言ったのだ。

「真由、疲れてるんじゃないか? あれは期の資産運用の座にに移しただけだよ。にも説したじゃないか」

説など、度も受けていなかった。 通帳の記帳欄にあった見覚えのないカタカナの振込先について聞こうとすると、夫はくため息をつき、私の肩にを置いた。

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「最、同じことを何度も聞いてくるよ。仕事が忙しすぎるんだ。し休んだほうがいい」

それだけだった。 引きしを荒らされたのも、妄なんかじゃない。 の通帳と印鑑を入れていた寝の引きしが、ある途半端にいていて、の並び順が変わっていたのだ。 それを指摘したも、夫はただ穏やかに微笑んだ。

「おが自分で探したのを忘れたんじゃないか? 鍵なら机のにていたよ」

そのすべてが。 私の記憶違いでも、疲労のせいでもなく。 最初からこののに「妻の精神な破綻」として清されるための材料だったというのか。

廊の軋む音がした。 音がづいてくる。

脱所のドアがき、湿った気とともに柑橘系のボディソープの匂いが漂ってきた。

臓がねる。 息を止め、震えるでそのA4用をつ折りにし、元にあった仕事のクリアファイルの番底へ滑り込ませた。

「真由? まだ起きてたのか」

バスタオルで首を拭きながら、夫がリビングに入ってきた。 歳。宅設備器メーカーの営業課。 清潔のある髪に、当たりのいい笑顔。 所でも、私の実でも、「穏やかで頼りになる旦さん」として通っている男だ。

夫は私の元を瞥し、それからダイニングテーブルのに置いてあった麦茶のポットにを伸ばした。

「まだ仕事か? 根を詰めすぎるなって言ってるのに」

グラスに茶を注ぎながら、夫は振り返りもせずに言った。

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