"境界の桜庭茶房 ~現代飯と国宝で、どん底から人生やり直します~" 第10話
持は信徒たちを煽りてた。 「見よ、巫女様が私にお力を授けておられるのだ! 将軍とて、神仏のりには抗えまい!」
群衆が揺し、兵たちにさえ躊躇いが広がったその刹――守が腰の佩刀をすらりと抜き放った。 「神を騙るが。より殿の名をその汚れたで呼ぶことすら許さん」
守は祭壇へ歩み寄ると、隠されていた板壁を刀の元に叩き割った。 崩れ落ちた枠の奥から転がりたのは、現代の印刷文字が記された空の薬瓶、そして猛毒の鉱末と眠り薬の包みだった。
持の顔から血の気が引いた。 「な……それは……」 「平から救援物資を盗みし、それが尽きれば毒を混ぜて民を殺めた。これが貴様の言う神薬の正体か」 「ち、違う! 私は……ただ、薬が尽きたから、代わりのを混ぜただけで……ぬとはわなかったんだ!」
持はにいつくばり、涙とを垂らしながら守の元に縋りついた。 「お許しください! 来だったのです! も女も、すべてお返ししますから……!」
群衆の号が敷を揺るがした。崇敬の差しは瞬にして軽蔑と憎悪へと反転し、持は引きてられながら、かつて自分が騙した民のによってを浴びせられた。
さらに守は、懐から型の現代製LEDライトを取りし、く掲げた。眩いが暗い堂内を閃する。 「民よ、惑わされるな。
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これはの奇跡などではない。を越え、遥かなから届けられたの英のかりだ。神罰などせぬ。真実を見据えよ!」
々は武器を収め、将軍の威堂々たる姿に平伏した。
霞堂を制圧したものの、事態の刻さは増すばかりだった。 隣接する諸州にまで疫病がびし、被災者は万を超えたという。よりが個に買い集められる薬の量では、もはや焼けにだった。
茶の厨で、守は々しくをいた。 「より殿。君の世界の法では、あの神薬を度に万単位でに入れることは難しいのであろう?」 「ええ……現代では、解剤の量購入には厳しい規制があるの。私ののような個が数万箱も発注すれば、違いなく警察汰になって止められてしまうわ」 「ならば、これを使ってくれ」
守が懐から取りしたのは、古めかしい桐箱だった。 には、見事な透かし彫りが施された、掌の玉の札が収められていた。龍と鳳凰が絡みう、神聖な匠――『竜鳳の護符』である。
「これはが榊原に代々伝わる守り札だ。かつて父と母がつずつ持ち、私の元の折にわせられた。君の世界の榊原正という老が、真にが族の末裔であるならば、これを見せればすべてを察するはずだ。がの総力を挙げて、君に力を貸すよう遺言が遺されている」
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よりはスマートフォンを構え、護符の写真を撮して榊原教授へと送信した。 送信からわずか秒、着信音がけたたましく鳴り響いた。
『さ、桜庭さん……! 今送られてきた写真は、体どこで……!?』 受話器の向こうで、教授の声が震えていた。 『が榊原宗に伝わる古文には、い祖先が遺した訓がある……「いつのか、竜鳳の護符を携えし者が現れたら、族のを賭けてその望みを叶えよ」と! この細、傷の入り方、違いなくがの根源たる至宝だ! 桜庭さん、あなたは何を望まれる!?』
「解剤が万箱、至急必なんです。それと、物資を保管するための型の倉庫も……」 『おい御用だ! が族が提携する製薬会社に即座に掛けい、正規の災害備蓄ルートを通じて配しよう。倉庫も、うちが所する郊の物流拠点を今すぐ放する!』
さらによりは、あの伊豆兵から託された墨絵の鑑定を依頼した。 翌、教授が提示した買い取り額は――千百万円。 正当な段でに入れた莫な資と、名榊原の社会響力。つの歯が噛みい、現代の巨な物流網がきした。
だが、薬だけでは命は救えない。 現は記録な寒波に見われており、濡れた粗末な着物枚で凍する避難民が続していた。
よりは教授の秘の引きで、郊にある昔ながらの製綿を訪れた。
製の価な羽毛や化繊に押され、械が半も止まったまま、倒産寸に追い込まれていただった。