"境界の桜庭茶房 ~現代飯と国宝で、どん底から人生やり直します~" 第7話
教授の気迫にへたり込む美央に、よりは歩づき、静かに、しかし会の全員に響き渡る声で告げた。
「綾瀬美央。あなたは昔からそうやって、自分がにつためなら平気で嘘をつき、を貶めてきたわね」 「な、何よ……あんたが盗なのは事実じゃない! あの、あんたの机からネックレスがてきたのは紛れもない事実よ!」 「いいえ、事実じゃないわ。その真相を、今ここで皆さんに聞いていただきましょう」
よりが図を送ると、混みのろからの女性が震えながら歩みてきた。 代、美央の腰巾着としてよりをいじめていた元同級・ミオだった。
「ミオ……!? あんた、何でここに……」 「ごめんなさい、よりさん……! 皆さん、聞いてください! 、美央のネックレスを盗んだのはよりさんじゃありません! 私が……美央に命令されて、よりさんの机にネックレスを滑り込ませたんです!」
配信のカメラが、泣き崩れるミオの姿を全世界に映ししていた。コメント欄は瞬くに炎し、美央への非難で埋め尽くされていく。
「な、何を言ってるのよミオ! 裏切る気!?」 「美央に逆らったら、今度は私が標にされるのが怖くて……ずっと言えなかった! でも、もう嘘はつけません! よりさんは無実です!」
さらに、会の扉がき、厳格な面持ちの男性が入ってきた。
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の代の担任教師だった。
「私も証言します。当の記録と保健の誌を再調査した結果、事件のあった休み、桜庭よりさんはで保健のベッドにおり、教には戻っていなかったことが完全に証されています。学側が当、綾瀬の権力に屈して桜庭さんを方に犯扱いしたこと……く謝罪いたします」
完璧な証拠、完璧な証言。 美央の張り子の虎のようなプライドは、っ端微に砕け散った。
「ひ……っ、違う……私は……」 「綾瀬美央。私の名誉を傷つけ、ネットでデマを拡散した罪、そしてこの国宝級の首飾りを破壊した損害賠償……法廷で、最の円まで清算してもらうわ」
よりの徹な宣告に、美央はそのにへたり込み、取り巻きたちからも見捨てられて惨めに顔を覆った。
騒が収まり、散らばった真珠をつつ丁寧に回収し終えた榊原教授は、おしそうに首飾りの細を見つめ、そしてよりの顔をじっと見つめた。
「桜庭さん……信じられん。この細、この真珠の数……が榊原の本に伝わる掛け軸に描かれた、初代の伯母君の装飾品と完全に致しておる。なぜあなたがこれを持っておられるのか……いや、今は詮索すまい。だが、あなたは違いなく、が族と浅からぬ縁(えにし)で結ばれている」
教授は傍らに控える秘に向き直り、々しく命じた。
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「桜庭さんは、が榊原が総力を挙げてお守りすべき方だ。今の件で、あの浅はかな綾瀬の背にいる勢力が逆みをしてくるかもしれん。桜庭さんの辺に常に気を配り、審なきがあれば即座に排除できるよう配せよ」 「かしこまりました、教授」
嵐のような夜会を終え、よりは夜更けの『桜庭茶』へと戻ってきた。 静かな厨にち、ふうとい息を吐きす。胸に刺さっていた錆びたトゲが、ようやく綺麗に抜け落ちたような清々しさがあった。
勝の板戸をけると、向こう側からはいつものように、澄んだ夜のと薪の煙の匂いが流れてきた。 カウンターには、の営業に備えて仕込んだ特製の『消魂飯(チャーシュー飯)』のタレのりが満ちている。
「お姉ちゃん、おかえりなさい!」
奥からびしてきた音が、満面の笑みでよりを迎えた。
「ただいま、音。今もいい子にしてた?」 「うん! あ、でもね、さっき川兄さんが来て……の方ですごい害が起きて、疫病まで流り始めているって配そうに言ってたの。守将軍も、朝廷からの命で々そっちへ向かうかもしれないんだって……」
音のさな呟きに、よりの眉が微かにいた。 勝の向こう、くの空には、穏な暗がち込めている。つの世界を結ぶさな茶に、未曾の嵐が迫りつつあった。
翌朝の厨には、甘辛い醤油と角、そしてばしい焦がし葱のりがち込めていた。