"追放された偽物令嬢、奇跡の霊泉で村ごと成り上がります" 第11話
父の力い掛け声とともに、記すべき最初の鍬が、裏の肥沃なへと打ち込まれた。
その、スコップの先が質な何かに当たり、鈍い音をてた。 「……ん? 何だ、こりゃあ」 父がを払い、掘り起こしたものを引きげる。 それは、いをので眠り続けていた、見事な文様が施された古代の祭祀器だった。完全な形を保ったまま朝陽を浴びて鈍く輝くその姿に、ち会っていたの古老が震える声をげた。
「……瑞兆だ。このを清め、繁栄をもたらす吉兆だべ……!」
沸き起こる拍と歓声の、あぜの向こうから、見覚えのある黒塗りのが滑り込んできた。 運転席からりてきた信之介が、混みをかき分け、迷いのない取りで私のへと歩み寄ってくる。 そのには、輪の百の束が抱えられていた。
「遅くなったな、幸根」 信之介は周囲の線も気に留めず、私のにつと、元をわずかに緩めた。 「しいのを祝いに来た。……これでしは、俺にも隣につ資格ができたか?」
「……相変わらず、引なね」 私がさく苦笑すると、背で蛍と文修がやかすように笑い、両親が温かな差しで頷きっていた。
が吹き抜け、青々とした麦の葉を揺らしていく。 見渡せば、広な林に広がる牧、煙をげる最の加、そしてこれからちがる、する族の温もりを宿した真しいが。
誰かの敷いたレールを奪いう必など、最初からなかったのだ。 自分ので耕し、する者たちとともに育んだこの豊かなこそが、何者にも侵されない、私だけの本物の居所なのだから。