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"処刑寸前の冷宮幼女、心の声で国を救う" 第3話

静まり返る御ので、陸原の背筋をたい悪寒が駆け抜けた。

(……本当だったというのか)

戸部の臣が蒼になってへたり込む、陸原の線は再び窓のへと向けられた。 垣の向こうで、々は目を見いて直していた。

(ひえっ、フラグ回収すぎ!? もう難民が来ちゃったの!? やばいやばい、こんなところに隠れてるのがバレたら、御への無断侵入罪で即座に処刑されちゃう! 逃げなきゃ――!)

「捕らえよ」

陸原のくい命がった瞬、屈な兵が垣を踏み越え、脱兎のごとく逃げそうとした々の襟首を軽々と持ちげた。

「うわああああっ! ごめんなさい! 父、わざと入ってきたんじゃないの! お腹が空いて迷子になっただけなの、らないでぇぇ!」

をバタつかせて号泣する歳児。 陸原のに引きずりされた々は、にへたり込んで涙とを流しながら、全力で命乞いをした。 だが、そののからは別の声が漏れていた。

(ちくしょう、捕まった! この血サディスト親父、どうせまた『引きずりして首を刎ねよ』って言うに決まってる! 神様仏様、どうかあたしの首と胴体を繋ぎ止めておいてください……!)

陸原は玉座からちがり、ゆっくりと々のへと歩み寄った。 そのたい双眸を見ろしながら、あえて試すように問う。

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「……難民が都に押し寄せている。そなたなら、この事態をどう収拾する」

「ふぇ……? え、えっと……」 々はしゃくりげながら、わざと愚鈍な幼児の顔を作った。 「お、お腹いっぱい、ごはんをべさせてあげればいいといますぅ……」

(飢えてにそうなを武力で鎮圧しようとするから暴になるんでしょ! まずは粥を配って腹を満たして落ち着かせるのが危管理の鉄則じゃん! ……まあ、こんな当たりのこと、脳筋の暴君に言っても無駄だろうけどね)

陸原の元が、わずかに微した。 表面はのない子供の戯言。だが、その裏にある考は、恐ろしいほど急所を射抜いている。

「……趙総管」 「はっ」 「御膳に用させていた、丸焼きの黄鶏を持ってまいれ」

数分、々の目のに、黄に輝く丸ごとの焼き鶏が運ばれてきた。 漂う芳醇なスパイスと肉汁のりに、々の腹が盛に鳴り響いた。

「え」 「えっ……? た、べていいの……?」 「朕の許しだ」

々はびつくようにして鶏の腿肉にかぶりついた。 パリッとした皮のから、々の肉汁が溢れす。

(うまーーーいッ!! 何これ、異次元の美さじゃん! さすが宮廷料理、現代の付きレストランより美いかも! ……あれ? この暴君、と話が通じる……? いやいや騙されちゃ駄目だ、これはぬの最の晩餐ってやつかも!)

がつがつとで貪りう童女を見つめながら、陸原の双眸に昏いが宿る。

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々は半分ほどべたところで急にを止め、残りの鶏肉を事そうに懐の油に包み始めた。

「……なぜ残す」 「あ、あのね……父。宮の母が、まだ何もべてないの。これ、母に持って帰ってもいい……?」

恐る恐る見げてくる潤んだ瞳。 陸原は無言のまま、く頷いた。 「……持ってゆくがよい」

「わあぁ! ありがとう、父好き!」

満面の笑みで鶏肉を抱え、駆けしていくさな背。 その姿が見えなくなると同に、陸原は徹な声で趙総管に命じた。

「調べろ。あの娘の素性と、宮の謝氏の向を。……それから、方の難民対策として、のに炊きし所を直ちに設置せよ」 「はっ、御にございます!」

*

宮に戻った々は、誇らしげに油の包みを掲げた。

「母! 見て見て、美しいお肉を持ってきたよ!」 「まあ……! 々、これは体どこから……?」 「えへへ、々の実力でに入れてきたの! くべて!」

謝氏が驚きと堵の涙を浮かべながら、鶏肉にを伸ばそうとしたその瞬――。 乱暴な音をてて、宮の朽ちかけた扉が蹴破られた。

「盗の分際で、実力とは笑わせますわね!」

取り巻きの宮女を引き連れ、豪奢な綾絹のを翻して現れたのは、貴(コウきじん)であった。 傲な笑みを浮かべ、尖った爪で々を指差す。

「御膳から皇帝陛の黄鶏を盗みしたのは、この賤な親子ね! 寵を賜っているこの私ですら滅ににできない逸品を、宮の落ちこぼれが盗みいするなど、万に値しますわ!」

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