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"油まみれの整備士と養子の秘密" 第21話

妹の望みは、「お姉ちゃんになるんだ!」とそれはもうびしていたのだが、私が「お姉ちゃんじゃなくて、この子にとっては『おばさん』になるんだよ」と現実を教えてやると、「おばさんなんてやだ! 絶対にお姉ちゃんだもん!」と、子供らしく本気でふてくされてすねていた。

まあ、実際に自分の妹の子供を「おばさん」呼ばわりさせる気は私にもさらさらなかったけれど、望みももうすぐ歳になるのだから、「血の繋がった直系のきょうだいではないんだよ」という族の形の枠の現実くらいは、しっかりと理解していてほしいとってあえて冗談半分で言っただけだったのだが。

産まれたばかりの赤ちゃんの顔をのぞき込んだ望みは、いつのにかすっかり「お姉ちゃん」を吹かせるおバカな(いや、親バカならぬ「姉バカ」な)お姉ちゃんに変貌を遂げていた。

がの両親は、そんな孫を溺する望みの姿を見て、「なんだか、昔の悠斗を見ているようでそっくりだねえ」と、呆れたような、けれどおしそうな優しい線を私に向けてきた。

確かに、望みが産まれたばかりの頃の私も、全く同じように彼女にベッタリ張り付いて周囲を困らせていたものだ。その当の若かりし自分の親バカっぷりを、今になってあゆみにられてしまい、「悠斗くんって、昔からそんなにシスコンだったのね」

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と笑いされてしまったは、恥ずかしさのあまり穴があったら入りたい気持ちになったものだった。

「のぞみちゃんは、本当にお兄ちゃんに性格も顔もそっくりなのね」

あゆみが優しく微笑みながらそう言ってくれた、私の目からはまたしてもいものがこぼれそうになってしまった。

望みと私には、物学な血の繋がりはミリもない。それなのに、あゆみが「似ている」と言ってくれたことが、私のの底から嬉しかった。

――「族になるのに、血の繋がりなんて本当は関係ないんだよ」

あゆみは、毎の活ので、その言葉を自然なで私に優しく教えてくれているような気がした。

あゆみは、産の変な期を乗り越えると、驚異な精神力で仕事に本格に復帰し、ついにそのの「司法試験予備試験」の最終格を果たした。

約半にわたる、ともに極限まですり減るような過酷な試験勉だった。族総であゆみの育児や事を徹底にサポートしていたとはいえ、まだ言葉も話せない赤ん坊の娘の育児をしながらの受験勉がどれほど過酷なものだったかは、像を絶する。

たまの夜、寝のあまり机のでテキストをいたままうたた寝しているあゆみの背を見るたびに、私は彼女の凄まじい執と努力にががるいだった。

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「あゆみ、しは眠をとらないと体調を崩すぞ……」

「ううん、丈夫よ。やるべきにやっておかないと、で悔するもの」

そう言って、彼女はいつもと変わらない太陽のような眩しい笑顔を私に向けてくれた。

あゆみは、自分がどんなに辛いや追い詰められているほど、あえて無理をしてでもるく笑顔でいるようにがけているのだという。

「だって、私がここで暗い顔をして辛そうな表をしていたら、族みんなの空気までもっとくなっちゃうでしょう? それに、笑顔でいるほうが、議と脳も元気になってを向ける気がするのよ」

そう言ってケラケラと笑うあゆみのき様を、私はのパートナーとして、のとして、の底からく尊敬していた。

さな孫娘を自分の膝ので切そうに抱っこしていた母は、そんな私たちの様子を温かく見守りながら、「悠斗や、おはすっかりあゆみちゃんにががらない尻に敷かれる旦になりそうかねえ」と、茶目っ気たっぷりに笑っていた。

私は、それに対してしも恥ずかしがることもなく、「等だよ、それでいいさ」とので答えていた。

なにせ、あゆみほど自分のの困難に対して努力し、あゆみほどどんなも笑顔を絶やさず、あゆみほど根が美しく優しい女性は、この世のどこを探したってにいないと、私は本気で確信しているのだから。

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