"油まみれの整備士と養子の秘密" 第17話
父は々とをげ、いをいてすべての事を静かに語り始めた。
父の名は輔(だいすけ)、母の名は由紀(ゆき)。は結婚して数、子供に恵まれなかった。
は結婚当代半だったが、避妊をしていないにもかかわらずが経過しても妊娠の兆候は向に見られなかった。今では医療もんでいるが、当はまだ妊治療への偏見もあり、祖父母のい向もあってはを決して妊の専検査を受けた。
その結果、母の側に妊の原因があることが医学に判した。
裕福な主の系だったため資な余裕だけはあったので、両親は妊治療のクリニックに通い詰めた。しかし、それからさらにの歳が流れても、しい命を授かることはできなかった。
この頃には、跡取りとなる「血筋」を異常なまでに気にしていた厳格な祖父が界したことをつのきなきっかけとして、両親は苦しんだ妊治療をきっぱりとやめる決断をしたのだそうだ。
妊治療を始めてからの母は常にのバランスを崩しており、緒もひどく定になっていたという。それでも祖父母や親戚からの期待に必に応えようと、でをねていた母の痛々しい姿をくで見かねた父は、「もうこれ以で苦しむのはやめにしよう。
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いっそ、養子を迎えてしい族としてきよう」と、母に優しく提案したらしい。
そして、父と母が訪れたのが、内の古い児童養護施設だった。
そこで、両親は偶然にも私と運命の会いを果たしたのだという。
「あの、おはちょうど歳になったばかりだった。まれたばかりの頃に実母に育児放棄されて保護所に預けられ、そこからその児童養護施設に転々としていたらしい」
父は懐かしそうに目を細めて語った。
「おは当、『輔』という名だった。私の名も『輔』だ。同じ漢字の『輔』という名があることで、なんとなく運命な縁をじて声をかけたんだよ。そしたら、当の歳半くらいのおは見りが激しくて、施設の職員以のには絶対寄らなかったらしいのだが、なぜか私の顔を見るなり、パッと満面の笑顔で両を広げて対応したそうなんだ」
当の私は周囲のに対してい警戒を抱いていて、施設にいる職員以は誰も受け入れなかったそうなのだが、なぜかそのの両親にだけは、の底からの無邪気な笑顔を向けたのだという。
「同じ『輔』という名を持っていて、普段は見りするおが、私たち夫婦にだけは特別な笑顔を向けてくれた……そこに運命な何かをじた私たちは、そののうちに正式に養子縁組の続きを始しようと決したんだ」
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私の本当の親についての記録は、父の記憶によれば「父親は完全なで、母親は当わずか歳の未成で私をみ落とした」ということだった。
当歳だった私を「特別養子縁組」という形にすれば、法律も実の子供として戸籍に完全に登録することができたはずだった。しかし、肝の私の「実母」がその頃にはすでに消息を絶っており、連絡が切取れなくなっていたため、その法な特別養子縁組のは閉ざされてしまった。
特別養子縁組を成させるには、実父母の直の同がどうしても欠だからだ。両親は必に私の実親の居所を探そうとしてくれたらしいが、どうしても見つからなかった。
それで、私は般な「普通養子」という形で、戸籍は甥やではなく「養子」として両親に温かく迎え入れられたというわけだった。
「子供をの底から望していた私たちにとって、おは最初から、実の子供と何つ変わらない、かけがえのないが子だったんだよ」
父のその言葉を聞いた瞬、私の目から粒の涙が止まらなくなった。
奇跡にそので実の妹である「望み」が誕したけれど、、血のつながりのない私をが子として切に育ててくれた息子を、実の妹がまれたからといって切ないがしろにするなど、両親の脳内には片たりともしなかったという。