"油まみれの整備士と養子の秘密" 第15話
その忙さのせいで、些細なことでお互いにイライラし、「もう終わりにしよう」という別れ話の修羅に発展したことも度や度ではなかった。
それでも、私たちは互いに歩み寄ることを諦めず、荒波を乗り越えて揃って無事に学を卒業することができた。
学を卒業する数ヶのことだった。
「ねえ、あゆみ……卒業したら、うちので緒に暮らさないか?」
私はあゆみに、がでの同居をい切って提案した。
あゆみは学卒業と同にいよいよ施設をなければならず、司法試験の勉に向けた本格な正を迎える期だった。私も産管理会社への就職が決まっていたが、あゆみの目標はあくまで「司法試験発格と弁護士への」であり、働きながら過酷な受験勉を続けなくてはならない状態だった。
それならば、私の実で族と緒に暮らせば、活費や賃の配をする必は切なくなるし、勉にだけ集できると考えたのだ。
あゆみは最初、「彼氏の族のいる実に転がり込むなんて、どうしても気が引けるわ……」と頑なに拒んでいた。しかし、私は事に両親と妹の望みにしっかり事を説し、あたたかな諾の許をもらっていた。
あゆみはこれまでにも何度もがに遊びに来たことがあったし、両親も努力のあゆみをすっかり気に入っていた。
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望みも彼女のお姉ちゃん子ぶりをから慕っていたので、環境としては何の問題もなかった。
ただ、彼女のプライドを傷つけないように、そして彼女のを完全に払拭するために、私はつの決を固めてあゆみに告げることにした。
「――結婚してくれ、あゆみ」
それは本当に、飾らない、ありのままのプロポーズだった。もっとロマンチックな演をしようとか、夜景の見えるレストランで素敵な言葉を並べようとか々と考えていたのだが、いざ目のにすると緊張のあまりが真っになり、からてきたのはその言だけだった。
だが、その器用なプロポーズを受け入れてくれたあゆみは、学の卒業と同に、私の実でしい活をスタートさせることが決まった。
周囲の友たちからは「まだ学のうちから何を言っているんだ」と笑われるかもしれないが、当の私には結婚相としてあゆみ以の女性など考えられなかった。これから社会にればもっとたくさんの素敵な女性とりう会もあるのかもしれないけれど、あゆみ以にから結婚したいとえる女性に、私ので度と会えるとはえなかったのだ。
理由は自分でも言語化できないけれど、私たちは運命な赤い糸で結ばれているのだと、本気で信じて疑わなかった。
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こうして、学を卒業と同にがの員として暮らすようになったあゆみは、仕事や試験勉で自分のが全くないにもかかわらず、毎の事を率先してこなしてくれていた。
私や両親は「そんなことをして貴なを潰すくらいなら、分でもく司法試験の勉のに充ててくれ」と何度も言っていたのだが、あゆみは「施設にいた頃から事なんて毎の課だったし、の体操の息抜きになるから丈夫よ」と、いつも涼しい顔で微笑んでくれていた。
しかし、同居活を始してしばらくが過ぎたあるの夕方。
あゆみが夕飯の支度をしている最に、突然キッチンでそのにしゃがみ込み、ひどく体調を崩してしまった。
「やっぱり、毎の無理が祟って体を壊してしまったんだ……」
私や両親はそう配し、慌てて彼女をくの総病院へと連れてった。しかし、医師から告げられた診断結果は、私たちの予を遥かに斜めに超えるものだった。
なんと、あゆみのきなお腹に、しいしい命が宿っているという「妊娠」の事実が発覚したのだ。
あと数ヶもすれば、司法試験の本番を控え、そして結婚式と入籍をまさに予定していた、まさにそのタイミングでの来事だった。あゆみにとって、弁護士になるというの半ばでのまさかの妊娠。
私たちはお互いに分すぎるほど避妊の対策や活の管理には気をつけていたはずなのに……。