"油まみれの整備士と養子の秘密" 第13話
「俺が通っていたのって、本当に普通の幼稚園だったよな……?」
履歴の添削をしてくれていた父に何気なく尋ねると、父は「おは体、今更何を言っているんだ」と、なぜかしだけ自然に慌てたような議そうな顔をされた。
「俺って、もしかして世の記憶があるのかもな……?」
病全のセリフを冗談半分でにしてしまい、父に信がられてしまった。そう考えないと、私の脳裏に残っているかすかな幼期の記憶と、両親から聞かされていた話が微妙にい違っているのだ。
父は「やドラマで見た記憶が混ざっているんじゃないか」と言っていたが、私はやっぱりあれは「世の記憶」か「物つくのい記憶」だといたかった。その方がにロマンがあるじゃないか。
別にオタクというわけではないが、世とかパラレルワールドとかがある方がロマンチックに決まっている。父には完全に呆れられてしまったが、私はそうい込むことにした。
そして、所のチェーンのお弁当さんのアルバイトの面接を受けた私は、無事に採用されることになった。
初めての本格なアルバイト先であるそのお弁当さんには、のほかに社員が、のアルバイトが、学のアルバイトが籍していた。
そのアルバイト仲に、私の運命の相となる篠原歩美(しのはら あゆみ)がいた。
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あゆみは学に学するための学費や活費を自力で稼ぐために、に入学と同にこのお弁当で働き始めたのだという。最初にその話を聞いたは、まだなのに苦労している庭なのだろうくらいにしかっていなかった。
夜のにが閉し、際よく閉作業を分で終えると、あゆみはいつも「お疲れ様です!」と誰よりもく自転で急いで帰っていく。
歩みとゆっくり話す会は休憩がたまたま緒になったくらいで最初はあまり交流がなかったのだが、と歩みの学活についての雑談から、彼女が「児童養護施設」から毎通っているという事実をった。あゆみがいつも閉に急いで寮に戻っていたのは、施設に厳格な限が定められていたからなのだ。
歩みの両親は彼女が学の頃に事故で界しており、親戚にも引き取る余裕がなかったことで、児童養護施設のお世話になることになったのだそうだ。
施設に引き取られてから、周囲の子供たちや学の教師から偏見の目で見られたり、無い言葉を投げかけられたりすることもあっただろう。しかし、あゆみはそんな辛い過など微もじさせないかのように、いつだって職で太陽のようにるく振るっていた。
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将来、学で自分の力で専な法律の勉をして自するためだけに、毎アルバイトに汗垂らして励んでいるその真っ直ぐな姿に、私はいつしかく惹かれるようになっていた。
そして、の休み。私は自分の抑えきれない気持ちを抑えきれず、あゆみに告して付きうことになった。
最初は、あゆみは「自分には両親がいないことや、施設で暮らしていることが引け目になるから、あなたとは釣りわない」と、気まずそうにうつむいて首を横に振っていた。
「付きうのは、俺とあゆみであって、の周りの事なんて関係ないだろ?」
私が歩みの背景を気にしているならともかく、私は彼女のバックグラウンドをすべてったで、それでもの女性として彼女のことが好きだと伝えたのだから、そんなことで慮する必などないはずだ。
「……それって、世のが『親がいない施設育ちだ』って偏見の目で見ていると同じような目で、私を見ているのと同じじゃないの?」
あゆみは言葉を詰まらせ、潤んだ目で私を見げた。別に彼女を責めるつもりは毛なかったのだが、あゆみにはもっと自分自に自信を持ってほしかった。親がいなくても、施設で育っていても、あゆみは自のあるこのお弁当さんの誰よりも素敵な板娘だし、倍の努力だ。
私はそんなあゆみだからこそ、から好きになったのだ。