"油まみれの整備士と養子の秘密" 第9話
「もちろん、はいって言ったよ」
「おめでとう、真央」
「ありがとう、お兄ちゃん」
私は目がくなった。この議な縁は、父さんと母さんが私たちに届けてくれたのかもしれない。両親の優しさが孤独に耐えながら頑張っていたを救い、そしてには私たちが宗介に救われた。そして今、宗介と真央が結ばれようとしている。ととの繋がりは、本当に議だ。
結婚式はに恵まれた。真央は純のウェディングドレスを着ていた。その姿を見て、私は涙が溢れそうになった。
「悠斗、泣くなよ」
「泣いてない。目にゴミが入っただけだ」
「嘘つけ」
私たちは顔を見わせて笑った。
バージンロードを歩く、真央は私の腕を取った。本来なら父親が歩くはずのを、私が歩くことになった。
「お兄ちゃん、緊張する……」
「丈夫だ。ゆっくり歩けばいい」
「うん」
私たちはゆっくりとバージンロードを歩いた。宗介が祭壇ので待っている。私は真央のを取り、宗介に渡した。
「真央、頼む」
「ああ、任せてくれ!」
宗介は真央のを取った。が向かいう姿を見て、胸がくなった。
式のあと、真央が私のところに来た。
「お兄ちゃん、ありがとう」
「なんだよ急に」
「全部だよ。お兄ちゃんがいなかったら、今の私はいなかった」
真央の目に涙がっていた。
「俺の方こそ、おがいたから頑張れたんだ。
広告
父さんと母さんも、きっとんでるな」
「ああ、きっとな」
私たちは空を見げた。青く澄んだ空が広がっている。どこかで父さんと母さんが見守ってくれている気がした。
宗介が私のところに来た。
「悠斗、これからもよろしくな」
「ああ、義理の弟になったな」
「弟? 俺の方がだぞ」
「細かいことは気にするな」
私たちは笑いった。
これから先のことは分からないけれど、私たちが宗介と会ったように、ととの繋がりは見えない何かで結ばれていると信じずにはいられなかった。
、宗介と真央のに子供がまれた。男の子だった。名は「幸介(こうすけ)」。父さんの名から文字をもらったそうだ。
「お兄ちゃん、抱っこしてみて」
「いいのか?」
「もちろん。幸介のおじいちゃん……じゃなくて、おじさんなんだからね」
私は幸介を抱っこした。さくて温かい。こんなさな命が、私たちの族を繋いでくれている。
「幸介、俺はおじさんの悠斗だ。よろしくな」
幸介は私の顔を見てニコッと笑った。その笑顔は、どこか父さんに似ている気がした。
宗介が私の隣にった。
「悠斗、俺たちはこれからも族だからな」
「ああ、当たりだ」
「幸介にもひまわりのことを話してやりたいんだ」
「ひまわりのこと?」
「ああ。君たちのご両親がどんなに素らしいだったか。困っているにを差し伸べる優しさを持っていたか。
広告
それを幸介にも伝えていきたいんだ」
私は胸がくなった。
「ありがとう、宗介」
「お礼を言うのは俺の方だ。君たちの両親に会えたから、今の俺がある」
真央が私たちのところに来た。
「とも、何を話してるの?」
「幸介にひまわりのことを話してやろうって」
「いいね。私も緒に話すよ」
「ああ、で話そう」
私たちは顔を見わせて微笑んだ。
父さん、母さん、見ているか?
俺たちは族を作ったよ。あなたたちが俺たちに残してくれた優しさを、次の世代に繋いでいくよ。ありがとう。俺たちは、幸せです。
「えっ……まさか、嘘だろう……?」
婚約者であるあゆみと結婚しようというまさにその、私が目撃したのはあまりにも衝撃な事実だった。それまではごく普通の族として何つ自由なく暮らしてきたというのに、提のために役所で取得した戸籍謄本の続柄の欄に、「養子」と記載されていたのだ。
どういうことなのか直接事を聞きたいとう反面、育ててくれた両親から恐ろしい真実を聞かされるのが怖くて、私は両親に言いせないまま数で悩み続けていた。
しかし、妊娠でつわりに苦しんでいた婚約者のあゆみが、私の様子を見かねて「聞いても聞かなくても、ご両親はご両親でしょ」と優しく背を押してくれたのだ。実際、歳の実の妹である望み(のぞみ)がまれてからも、両親は私のことを度たりともないがしろにしたことはない。