"「生きている」と気付いた納棺師、黒幕の婚約者を地獄へ送る葬儀" 第20話
」
由奈さんもちがった。
自らのを偽装しているその棺を、静かにつめた。
「郷田はその棺のに私の体が入っていると信じて、参列者ので嘘の涙を流すのですね。」
私は頷いた。
「ええ。彼は自分が完全犯罪を成し遂げた絶対な勝者だと確信し、最も警戒を解いている状態です。」
私は棺の蓋にそっとを触れた。
ごく音の神の顔でつぶやいた。
「彼が葬炉のスイッチを押し、あなたの全てをにして権力をに入れようとするその瞬。」
私は、蓋をく叩いた。
「私がこの蓋をけ放ち、彼の輝かしい未来ごと全てを獄の底へと突き落とします。」
由奈さんは私の横に並んだ。
い決を込めた瞳で、く頷く。
「鈴鹿さん、私も逃げずに最まで見届けます。」
彼女は、決然と言った。
「私ので、あの男に引導を渡させてください。」
「もちろんです。そのための準備は全ていました。」
静まり返ったので、私たちは来るべき公処刑の台に向けて、静かに覚悟を共した。
命をに変えようとした悪魔たちを網打尽にするための圧倒な罠の準備が、今完全にったのだ。
翌朝、私は由奈さんを全なに残し、業務用の霊柩をらせた。
向かった先は、都内でも数の規模を誇る最級の斎である。
トートホールディングスの社葬として執りわれるの葬儀に向けて、今から祭壇の設営と棺の搬入がわれる。
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をの搬入に横付けした。
斎のスタッフたちが、粛々と迎えてくれた。
私はスタッフたちと協力し、部座席からなの棺を慎に運びした。
棺のには由奈さんの遺体ではなく、彼女の体と全く同じ45kgに調された砂袋とダミー形が納められている。
私がで精密に計算し、のバランスまで完璧に調した偽装の棺である。
スタッフのが、額の汗を拭いながらつぶやいた。
「随分とい棺ですね。」
私は、ごく底の落ち着いた声で答えた。
「ええ。ご遺族の向で、には故とのおいの品が数納められているのです。」
彼は何の疑いも持たずに、く頷いた。
エレベーターで最階の特別ホールへとがる。
私たちは棺を祭壇のに置した。
数万本のい菊と百のが使われた、巨で華やかな祭壇だ。
般の参列者だけでなく、政財界の鎮や数のメディアが訪れるの台である。
これ以ないほど派な設営がめられていた。
私は棺の隅に打ち込まれた作業の釘を確認した。
蓋が絶対にかない状態であることを、改めて確かめた。
午になると、喪主である郷田さんが数名の部を引き連れて斎へ察に訪れた。
彼は仕ての良い級な黒いスーツにを包んでいた。
しむ様子など微も見せない。
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まるで自分の戴冠式の会をチェックする王のような態度で、ホールを見渡した。
「うん。悪くない。祭壇のさも、の配置も完璧だ。」
郷田さんは満そうに頷いた。
傍らにつ部に、次々と指示をし始める。
「はテレビ局のカメラが入る。俺が弔辞を読むは、俺の顔が番良い角度で映るように調させろ。」
彼は、傲な命令を続けた。
「最列には、の取たちを確実に案内しろ。」
彼は、野望を隠そうとしなかった。
「俺が社として挨拶をする、最のになるんだからな。」
彼の言葉の端々からは、由奈さんへのの記憶など切じられない。
あるのは、彼女のを踏み台にして権力の頂点につという、浅ましい自己だけだった。
通り指示を終えた郷田さんは、祭壇ので静かにっていた私に気づいた。
見すような取りで、づいてきた。
「おい葬儀、ご苦労だったな。」
私はく礼をした。
「お疲れ様でございます、郷田さん。祭壇の設営は、ご望通りに完しております。」
彼は私の顔を覗き込むようにして、で笑った。
「の表は確認したか?」
彼は、棺のタイミングを指示した。
「棺は、参列者の涙がピークに達するタイミングでう。」
彼は、凄みを利かせた。
「おは、絶対に目つ真似はするなよ。」
私は、静かに答えた。
「承いたしました。
全ては予定通りにめさせていただきます。