"「生きている」と気付いた納棺師、黒幕の婚約者を地獄へ送る葬儀" 第12話
「これは、20歳の誕に父から贈られたものです。」
由奈さんは、ネックレスを見つめて言った。
「崎先も、このネックレスのことはよくっています。と緒にこれを先に渡してください。」
私は、ネックレスを受け取った。
「お預かりします。」
私はとネックレス、そして特別で印刷した毒物の成分データが入ったファイルを、私の黒い鞄に慎に納めた。
これで、法な反撃にるための全ての武器が揃ったことになる。
私は洗面所へ向かった。
納棺師としての作業着から、仕ての良い漆黒のスーツへと着替えた。
鏡のでネクタイを締め、切のを排した静な仕事の顔を作る。
「由奈さん、私はこれから都へ向かいます。」
私はリビングに戻り、彼女に最の確認をった。
「表向きは、の葬儀に関する事務続きや、崎弁護士への遺族からの伝言という建できます。」
私は、彼女に注を促した。
「私が戻るまで、ここから歩もにないでください。」
私は、防犯対策を説した。
「入りのシャッターはから施錠し、警報装置も起させておきます。」
私は、彼女の目を見つめた。
「誰かが訪ねてきても、決して音をてないように。」
由奈さんは、と期待が入り混じった表で頷いた。
「分かりました。鈴鹿さん、どうか気をつけて。
広告
」
私は、静かに微笑んだ。
「ごください。私はただの葬儀として、粛々と仕事をめるだけです。」
私は鞄をに取り、静かにの扉を閉めた。
は完全にるくなり、常の騒音がくから聞こえ始めている。
郷田さんは今頃、数の取締役会に向けて勝利の美酒に酔う準備をしていることだろう。
自分が完全に支配したとい込んでいるその盤面が、私が放つ本の連絡によって根底から崩れるともらずに。
私はに乗り込み、エンジンをかけた。
反撃のための最初の使者として、私は都にある崎法律事務所へ向けて静かにをらせた。
都の層ビルにある、崎法律事務所の応接。
な革張りのソファに座って待っていると、ドアが静かにいた。
初老の男性が姿を現した。
トートホールディングスの顧問弁護士である、崎先である。
髪交じりの髪はし乱れ、その表にはい疲労としみがはっきりと刻まれていた。
「あなたが、由奈さんの葬儀を担当される鈴鹿さんですね。」
崎先は、かすれた声で言った。
そして、私の対面のソファにい腰をろした。
「ええ。本はお忙しい、おをいただきありがとうございます。」
私はちがり、く礼をしてから名刺を差しした。
「ご遺族である郷田さんからのご伝言と、の葬儀に関する事務な確認でお伺いいたしました。
広告
」
崎先は名刺を受け取ると、両で顔を覆いくため息をついた。
「そうですか。あのお嬢様があんな事故で突然くなるなんて、私はまだ信じられません。」
崎先の言葉からは、由奈さんに対する本物のと痛切な喪失が伝わってきた。
「彼女はき社の理を受け継ぎ、これから派な経営者になるはずだった。」
崎先は、顔をげて言った。
「それなのに、こんなことになってしまうとは。」
郷田さんのような打算な嘘の涙とは違う、からのいしみだった。
この物なら、違いなく由奈さんの力な盾となってくれると確信した。
私はちがり、応接のドアの鍵を静かに内側からかけた。
さらにガラス張りのパーテーションのブラインドを全てろし、からの様子が完全に見えない状態にした。
崎先が顔をげた。
「鈴鹿さん、突然何を。」
審を持った彼の声に、私は自分の席に戻って答えた。
「ここから先は、郷田さんからの伝言ではありません。」
私は、極底の静な声で告げた。
「由奈さんご本からの、極秘の伝言です。」
崎先は眉をひそめ、をわにした。
「ご本から?葬儀さんが何を冗談を言っているんですか。彼女はもう……」
私は鞄をけた。
からさな封筒を取りして、テーブルのに静かに置いた。
「まずはこちらをご確認ください。」
封筒のから滑りたのは、プラチナのチェーンだった。