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"無償の介護係だった嫁" 第3話

【03】「夜に2回起こされて、ご飯もいって」

そのの夕方半。

スマートフォンの源を入れると、同にけたたましい通音が鳴り響いた。

着信履歴が健司から件、義妹の由から件。

LINEの未読メッセージは件を超えていた。

私は駅のドラッグストアのベンチに座り、由からのトーク画面をいた。

『お義姉さん、本当にがわからないんだけど!』

『急に業者からベッドが運び込まれて、うちのリビングめちゃくちゃなんだけど!』

『母さん連れて兄ちゃんが乗り込んできた! どういうこと!?』

最初はりに満ちていたメッセージが、がむにつれて骨に焦りへと変わっていた。

『17:45 ねえ、お母さんの夕方の薬ってどれ? 袋がたくさんあって全然わからない!』

『18:10 ご飯、いってもべてくれない。「真奈美さんはいつも汁でクタクタに煮てくれた」って泣きしたんだけど』

『18:50 お義姉さんお願い、話て!!』

私は画面をスクロールし、あらかじめ作成しておいた画像データを枚だけ送信した。

義母が朝昼晩、寝るにむべき種類の錠剤の写真と、それぞれの効能、ませるタイミング、むせ込みを防ぐためのゼリーの使い方をまとめた作りの表だ。

送信して分も経たないうちに、由から話がかかってきた。

私は通話ボタンをスワイプした。

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「もしもし」

「お義姉さん! やっとた!」

由の切り声が響いた。

背景から、義母のグズるような声と、何かがガシャンと落ちる鈍い音が聞こえる。

「ちょっと、どういうつもりなの!? 薬の表送ってくれたって、こんなの見たってわからないわよ! 血圧の薬はどれなの? 糖尿の薬はなのなの!?」

「表に全部赤ペンでいてあるわ」

私はを交えずに言った。

「は緑の袋。は青いシートからプチッとして。お義母さんは喉の筋力が落ちてるから、だけでませると気管に入って肺炎を起こすわよ。必ずゼリーに包んで」

「そんなの私にできるわけないじゃない! 兄ちゃんも『俺はよくわからないから由やってくれ』ってリビングでテレビ見てるだけだし! 母さんは『真奈美さんに話して、今すぐここに来させて』ってずっと叫んでるのよ!」

「由さん」

私はく、落ち着いた声で呼びかけた。

「退院計画に、自分の名をくのを承したんでしょう? 健司さんから事に相談はなかったの?」

「そ、それは……兄ちゃんが『名だけ貸してくれ』って言ったから……! 昼連絡がつくだけでいいって言うから、承諾しただけで……まさか介護ベッドごと押し付けられるなんて聞いてないわよ!」

「そう。でも、政も病院も、あの類を元にいているの。あなたが『主たる介護者』よ」

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「だからって、いきなり私ひとりに押し付けるなんてあんまりじゃない! お義姉さんはもやって慣れてるんだから、伝いに来てくれたっていいじゃないの!」

「伝う?」

私はわずさく乾いた息を吐いた。

「由さん。あなたがやっているそれ、私が、毎でやってきたことよ」

話の向こうで、由の息が止まった。

受話器の奥で、義母の「トイレ……トイレにきたいんだけど……」という々しい訴えが聞こえた。

「ちょっと待って母さん! 今お義姉さんと話してるから! ……あっ、っちゃダメ! 転ぶから!!」

由の鳴とともに、通話はブツリと途切れた。

私は暗くなり始めた空を見げた。

臓の奥が激しく疼いていた。

「今すぐ駆けつければ、丸く収まるんじゃないか」

「私がして引き取れば、誰も怪をしなくて済むんじゃないか」

染み付いた『都のいい嫁』の考が、私のを由のへ向かわせようと引っ張る。

私は両をく握りしめ、爪がのひらにい込む痛みに耐えた。

ここで引き返したら、私のは度と戻らない。

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