"大関の着物を切り裂いた機内の酔客5人" 第5話
「あぁ?誰かとえば、ファーストクラスからしゃしゃりてきた干からびたババアじゃねえか。正義の方気取りかよ」
ブラッドの仲の、蛇のタトゥーを入れた男も腹を抱えて品な笑い声をあげた。
「おいおい気をつけろよブラッド。そんなに鳴ったらおばあちゃんの入れ歯がびちまうぜ」
男はさらに老婆を指さしてあざ笑う。
「おい、棺桶に片を突っ込んでるババアは、しくベッドで寝てな」
彼らは勇気をして止めに入った老婦に対しても、容赦なく烈な侮辱のセリフを浴びせかけたのだ。
相が老であろうと女性であろうと関係ない。
彼らの腐り切った根性が、内の空気をさらにく絶望なものにしていた。
しかし老婦は全く怯むことなく、静かに杖をについた。
「私は注をしただけです。それ以、本の乗客の方と客乗務員の方に危害を加えるというのなら、直ちにに報告して……」
ブラッドが声と鳴り声をあげ、老婦に向かってズンズンと歩み寄った。
「に報告だと。笑わせるな」
彼は両を広げ、周囲を威嚇した。
「ここは度1万mの空のだ。警察もいねえ。逃げのない密なんだよ」
ブラッドは顔を真っ赤にして、老婦を睨みろす。
「持ちだからって偉そうに指図してんじゃねえぞ。
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このクソババアが」
ブラッドは今度は、その暴力な敵を完全に老婦へと向けた。
カリフォルニアの格闘技界で喧嘩として暴れ回ってきた彼は、が自分に見することなど絶対に許せないのだ。
彼は老婦の胸ぐらを掴みげようと、太く汚れた腕を伸ばした。
そのだった。
音もなく、巨ながいた。
郎である。
彼は体を素く横に滑らせると、老婦のさな体を自分の広い背のろに完全に隠すようにしてかばった。
にへたり込んでいるキャビンアテンダントの佐藤と、老婦の2を、そのを挺して守る陣形を取ったのだ。
郎はブラッドをじっと見ろしている。
彼は依然として、言もをかない。
しかしその岩のような分い胸板は、この女性たちには指1本触れさせないという烈な志と覚悟を放っていた。
ブラッドは眉をひそめ、苛ちを隠せない。
「はどういうつもりだ?今度はナイト気取りか、このスモウピッグが」
ブラッドは自分より遥かにきな郎の無言の圧力に、完全に理性を失いかけていた。
郎の瞳の奥にある静けさが、なぜかひどく恐ろしくじられ、それを振り払うようにさらに声を荒げた。
「おい、この豚野郎。おみたいなでかくて抜けな本が、俺たち本物のファイターに勝てるとでもってんのか」
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彼は嘲笑を交えながら、吐き捨てるように言った。
「おらの国はいつも俺たちアメリカの顔を伺って、ペコペコをげてるだけのけない腰抜けの集まりじゃねえか」
国籍や文化までも否定する、差別で残酷な侮辱が密の内に容赦なく響き渡る。
「おなんか、ちょっと俺たちが突けば転がって泣き喚くただの肉だるまだ。その汚い着物も引き裂いて、この内のにいつくばらせて座させてやるよ」
周囲の座席にいる本客たちは、そのあまりにも理尽で屈辱な言葉にギリっと歯をいしばっていた。
だが、恐怖のあまり誰もちがれない。
圧倒な暴力のに、無力が彼らを縛り付けていた。
郎は沈黙を貫いている。
彼がもし本気をして反撃すれば、素の男たちなど数秒で病院送りにできるほどの腕力がある。
だが、力士の体は凶器だ。
般にをしてはならないという師匠の厳しい教えが、彼の拳を封じ込めていた。
それをビビってももないのだと勘違いしたブラッドたちは、郎が反撃してこないのをいいことにさらなる凶へとった。
ブラッドは仲に向かって鳴った。
「おい、やっちまえ。そのババアも女も、こいつもまとめて踏み潰してやれ」
ブラッドの図に、5の柄な男たちが斉に郎へとびかかろうとした。
郎は両をくき、腰を落として目を見いた。