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"毎日届く「パパを来させないで」" 第14話

「の面談、で来るならかない」

引き戸をドンドンと叩く鈍い音が、静かな宅に響き渡っていた。

「浩司さん……なんでここが……」

私の声がずった。

美咲のタクシーのき先を、タクシー会社に問い詰めて割りしたのだろうか。

浩司の執着と支配欲は、私の像を遥かに超えていた。

「美咲! 帰るぞ! は事な面談なんだぞ!」

からの声に、美咲はを塞ぎ、の隅へとずさりした。

その瞳には、再びあの絶対零度の絶望が戻っていた。

私は涙を拭い、ちがった。

これ以、この男に美咲を脅えさせるわけにはいかない。

玄関へ向かい、鍵をけて引き戸を引いた。

そこには、息を切らし、髪を振り乱した浩司がっていた。

目のに隈を作り、血った目で私を睨みつける。

「真由美! やっぱりここに連れ込んでたのか! 母親とグルになって、俺を排除する気か!」

「声をすのはやめて! 所迷惑よ!」

「うるさい! 美咲を連れて帰る! の面談の準備があるんだ!」

浩司がのままがり框にをかけようとした、そのだった。

「パパ」

廊の奥から、静かな声が響いた。

浩司のきが止まった。

線の先、暗い廊の真んに、美咲がっていた。

涙の跡をきれいに拭い、背筋をピンと伸ばして、父親を真っ直ぐに見据えている。

「み、美咲……」

浩司の表が、瞬で「優しい父親」

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の仮面へと切り替わった。

わざとらしい笑顔を作り、膝を折って美咲にを伸ばす。

「美咲、配したんだぞ。さあ、帰ろう。パパが悪かったよ。これからはのでも余計なことは聞かない。の面談、でビシッと揃って受けような。先にも、ちゃんとした族だって見せないとな」

浩司のその言葉に、私は吐き気を覚えた。

どこまでっても、この男のにあるのは「世体」と「体面」だけなのだ。

美咲の傷など見ようともせず、ただ『完璧な父親』を演じるための具として連れ戻そうとしている。

美咲は、差しされた浩司のを見つめた。

そして、歩もにまなかった。

「の面談」

美咲の声は、驚くほど静だった。

「揃って来るなら、美咲はかない」

浩司のが、空で凍りついた。

「……え?」

「パパとママが並んで座って、仲良しのフリして、先ので嘘つくのを見るのは、もう無理」

「美咲、何を言って……パパはおの将来のために……」

「どっちかだけにして」

美咲はたく言い放った。

その言葉は、浩司だけでなく、私の胸にもく突き刺さった。

「どっちかだけ。

で来て、隣同士で息を殺して、お互いの悪を言わないようにしてる空気のにいるくらいなら……美咲、面談なんか受けない。学も休む」

「美咲っ!」

浩司が声を荒らげようとしたが、美咲の射抜くような線に圧されて言葉を失った。

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そこには、親の顔を窺って嘘をついていた女の姿はもうなかった。

親の欺瞞を拒絶し、の都の良いゲームからりることを決した、のの姿があった。

「の朝、どっちに来てほしいか、美咲が決める。

選ばれなかった方は、絶対に来ないで。

……もしで来たら、先ので、パパとママがやってきたこと、全部喋るから」

美咲はそう言い残すと、くるりと踵を返し、へと戻っていった。

パタン、と障子が閉まる音が、決定な断絶を告げていた。

玄関のがり框に残されたのは、私と浩司のだけだった。

浩司は伸ばしたを力なくろし、青ざめた顔でち尽くしていた。

私もまた、たいフローリングので息を呑むことしかできなかった。

選ばれるのは、どちらか。

そしてそれは、親としての「勝利」をするものでは決してない。

どちらが美咲にとって、よりマシななのか。

歳の娘から突きつけられた残酷な審判をに、私たちのは、互いに目をわせることすらできずにいた。

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