"毎日届く「パパを来させないで」" 第13話
「本当のこと言ったら、誰かがるじゃん」
「嘘を……ついてたって、どういうこと?」
私の掠れた問いかけに、美咲はポツリポツリと、この半の秘密をかし始めた。
「パパはね、ママがパートから帰るをいつも気にしてたの。
しでも遅いと、ので美咲に聞くの。『ママは今、何に帰ってきた? 男からの話はなかったか?』って」
美咲のさな肩が、微かに震える。
「ある、ママがスーパーの特売で分遅くなったがあったでしょ?
美咲、正直に『分遅かったよ』って言ったの。
そうしたらパパ、そのの夜、リビングでドアをバンって閉めて、お皿をガチャガチャ乱暴に洗って……晩、のがピリピリして怖かった」
覚えていた。
浩司が理由も言わずに嫌になり、私が怯えながら顔を窺っていたあの夜のことだ。
「だから美咲、次のからは嘘をついたの。
ママが遅く帰ってきても、『いつもと同じだったよ』って。
ママがスマホを見て笑ってても、『おばあちゃんからの猫の画見てたよ』って。
そう言えば、パパは嫌を悪くしないから」
息が止まりそうだった。
「でもね、今度はママが美咲に聞くの。
『パパ、最お遣いのこと何か言ってなかった?』『おばあちゃんのこと、悪く言ってなかった?』って」
美咲の線が、私の胸を抉る。
「パパが『おの母親は無駄遣いばかりだ』ってブツブツ言ってたのを、美咲、そのままママに言ったことがあったよね。
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そしたらママ……お呂で、シャワーしながら声をさずに泣いてたじゃん」
私の臓が、たいで鷲掴みにされた。
隠れて泣いていたはずだった。
美咲には絶対に気づかれないように、シャワーの音で紛らわせていたはずだった。
あの子は、全部っていたのだ。
「ママが泣くのを見るのが、番怖かった。
だからママにも嘘をついたの。
パパがママの悪を言ってても、『何も言ってなかったよ、お仕事疲れたって言ってただけだよ』って」
美咲は両で顔を覆った。
指の隙から、ぽろぽろと粒の涙がこぼれ落ちて畳を濡らす。
「とも……美咲には『本当のことを言って』って言うじゃん!
『パパには正直に言え』『ママには隠し事しないで』って!
でも……本当のこと言ったら、絶対に誰かがるか、誰かが泣くじゃん!」
歳の娘の叫びが、狭いに響き渡った。
「本当のことを言ったら、おが壊れちゃうじゃん!
だから美咲、毎考えてたの……!
パパの今の顔なら、どの嘘をつけばられないかなって。
ママの今の顔なら、どの嘘をつけば泣かないでいてくれるかなって……!
美咲が嘘をついてれば、パパとママは喧嘩しないで済むとってたのに……!」
私は、両膝から崩れ落ちるようにして畳に突っ伏した。
涙が止まらなかった。
胸が張り裂けそうだった。
美咲は、ただの被害者として怯えていただけではなかったのだ。
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崩壊寸の庭を繋ぎ止めるために。
父親の暴発を防ぎ、母親の涙を止めるために。
歳の子どもが、自分のをすり減らし、嘘の防波堤になってのを必にコントロールしていたのだ。
『庭の平』を守っていたのは、私でも浩司でもない。
このさな娘の、必の嘘だったのだ。
「ごめんね……美咲、ごめんなさい……!」
私は美咲の元に縋り付き、をげて泣き叫んだ。
母親としてのプライドも、被害者としての正当性も、すべてがのように溶けて消えた。
けなくて、申し訳なくて、消えてしまいたかった。
美咲は泣きじゃくりながら、私の背にそっとを置いた。
そのの温もりが、私の愚かさを余計に際たせて胸を焼いた。
そのだった。
ピンポーン、とけたたましい呼び鈴が、静かなのに鳴り響いた。
度だけではない。
ピンポン、ピンポン、ピンポンと、暴力なリズムで何度も執拗にインターホンが連打される。
美咲の体が、ビクッとねがった。
そして、玄関の引き戸を側から激しく叩く音が響いた。
「美咲! いるんだろ! パパだ、けろ!」
浩司だった。