"毎日届く「パパを来させないで」" 第4話
「おが俺から娘を奪う気だろう」
「美咲なら、階にいるわよ」
私の声が、自分でも驚くほどたくく響いた。
浩司は靴を脱ぎ散らかしながら、怪訝そうに眉をひそめた。
「階? なんだ、とっくに帰ってたのか。だったら俺に本連絡くらい入れろよ。無駄踏ませやがって」
「無駄?」
私はキッチンのカウンターに置かれたのキーを見つめ、それから夫の目をまっすぐに射抜いた。
「美咲があなたのに乗りたがらなかったのよ。乗るのが怖くて、通用から逃げしたの」
浩司のきがピタリと止まった。
リビングの空気が、瞬で張り詰める。
「……何言ってんだ、お」
「ので、毎あの子に何を言ってたの?」
私の声は震えていなかった。
静かに、だが逃げを塞ぐように言葉をねた。
「『ママは何してた』『誰と話してた』『引っ越しのチラシは見てないか』……歳の子どもを密に閉じ込めて、母親のを監させてたんでしょう」
浩司の顔から、瞬だけ揺のがった。
けれど、それはすぐに醜い居直りへと変わった。
「……あいつ、余計なことを喋ったのか」
舌打ちの音が、静かな部に響いた。
「余計なこと? 娘を精神に追い詰めて、怯えさせておいて、それが余計なことなの!?」
私が声を荒げると、浩司はドン、とダイニングテーブルを掌で激しく叩いた。
「声をすな! 父親が娘とので何話そうが、俺の勝だろうが!」
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「尋問が雑談のわけないでしょ! あなたがやってるのは、ただの監よ!」
「監させなきゃいけないような空気を作ったのは、おだろうが!」
浩司がを乗りし、目を血らせて私を鳴りつけた。
「お、最何なんだよ! 俺と目をわせようともしない。飯をせばすぐ部に引っ込む。話しかけても返事ばかりだ! 俺がどれだけ息の詰まるいでこのにいるか、分かってんのか!?」
「それは……」
「お、隠れて何か企んでるだろ」
浩司の瞳に、病な執着と恐怖が宿っていた。
「俺に何も言わないで、面でコソコソいてる。おが俺を拒絶してるから、俺は美咲にの様子を聞くしかなかったんだ! 父親が自分の庭の崩壊を配して何が悪い!」
「美咲を巻き込んでいい理由にはならないわ!」
「巻き込んだのはおだ!」
浩司は指を私の先に突きつけた。
「お、俺から美咲を奪って、ていく気だろう」
喉の奥がヒュッと鳴った。
臓の鼓が元でねる。
浩司は確たる証拠を握っているわけではなかった。
ただ、私自の態度から滲みる「拒絶」を嗅ぎ取っていたのだ。
私は実際、先から密かに婚専の法テラスに相談にき、スマホの履歴を消しながら賃貸アパートの相を調べていた。
浩司の束縛と、嫌を損ねたのモラハラな空気に耐えられなくなり、美咲を連れてる準備を面でめていた。
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浩司は、捨てられることを極限まで恐れていた。
恐れるあまり、正面から私に問いただす勇気もなく、娘をスパイに仕てげて私の向を探らせていたのだ。
「図だろうが」
浩司が嘲笑うように元を歪めた。
「おが俺を裏切ろうとしてるから、美咲だって板挟みになって怯えてるんだ。全部おのせいだ。俺はただ、族を守ろうとしてるだけだ」
「……違う」
「何が違うんだよ! 母親面してんじゃねえよ!」
これ以、この男と話しても埒がかない。
吐き気すら覚える自己正当化に、私は目眩がした。
私は浩司をリビングに残し、で階へとがった。
階段を踏みしめるが震えていた。
美咲の部のドアをノックし、静かにけた。
美咲は机に向かったまま、さく縮こまっていた。
階の鳴り声は、違いなく聞こえていただろう。
私はベッドの脇にしゃがみ込み、娘の震える肩にを置いた。
「美咲……怖がらせてごめんね。でも、ママが守るから」
美咲は何も答えず、ただぎゅっと唇を噛み締めていた。
その頑なな横顔を見て、私の胸にふと、釈然としない疑問が湧きがった。
「ねえ、美咲……どうして、もっとくママに言ってくれなかったの?」
私のから、責めるようなニュアンスが図せず漏れてしまった。
「パパにあんなこと聞かれてたなら、言でもママに教えてくれればよかったのに。
そうすれば、こんなに辛いいをしなくて済んだのに……どうして隠してたの?」