"毎日届く「パパを来させないで」" 第3話
内で毎続いた「ママは何してた」
「ママのこと……?」
私ののに、疑問符が渦巻いた。
「そう……毎、学からの帰り、信号で止まるたびに聞かれるの」
美咲は両でランドセルのベルトを握りしめ、ぽつりぽつりと話し始めた。
「ママは今、何に起きた? どこかかけた? 誰かと話してた? おばあちゃんとパパの悪を言ってなかった?……って」
言葉を失った。
「昨はね、パパ、私の連絡帳の袋を勝にけて、にママのメモが入ってないか探してた。それで、『ママが引っ越しのチラシとか見てなかったか』って……」
「引っ越し……」
臓を鷲掴みにされたような痛みがった。
「美咲、よく分からなくて『見てない』って言ったら、パパ、すごく怖い顔でバックミラー越しに美咲のこと睨むの。『嘘をつくな、おはパパの方だろ』って」
浩司のあの粘つくような、神経質な線が脳裏に蘇る。
では当たりのいい父親を装いながら、内という完全に閉ざされた空で、逃げのない歳の娘にそんな尋問を繰り返していたのか。
「番怖かったのはね……先週の曜」
美咲の声が、さらにさくなった。
「パパが、をわざと回りのにめて……振り返って言ったの。『もし、パパとママが別れて暮らすことになったら、美咲はどっちについてくる?』って」
「……っ!」
「どっちって言えばいいか分からなくて黙ってたら、パパ、ハンドルをバンって叩いて……『ママはパパを捨てる気だ。
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おまでパパを裏切るのか』って……美咲、怖くて、息ができなくなって……」
涙でぐしゃぐしゃになった娘の顔を見て、私は耐えきれずにそのさな体を抱きしめた。
「ごめんね、美咲……気づいてあげられなくて、本当にごめんなさい」
私の胸ので、美咲が声を殺して泣きじゃくった。
りで界が赤く染まりそうだった。
浩司は、娘を迎えにっていたんじゃない。
私を監するための具として、毎、美咲をのに閉じ込め、を削り取っていたのだ。
娘が「今はパパに来させないで」と送り続けていたのは、単なるわがままなんかじゃなかった。
限界を迎えたからの、必の鳴だったのだ。
「丈夫よ。もう絶対に、パパのにはで乗せさせないから」
私は美咲の涙をハンカチで拭い、しっかりとを繋いで自宅へと向かった。
歩きながら、え切ったりが私ので本の刃のように研ぎ澄まされていくのをじていた。
許せない。
夫婦の問題に、何の罪もない子どもを巻き込んで、恐怖でを割らせようとするなんて。
に着くと、私は美咲を階の自分の部にかせた。
「宿題をしてて。ママが呼ぶまで、部からなくていいからね」
美咲がさく頷き、階段をがっていくのを見届けた直だった。
カチャリ、と玄関のドアが乱暴にく音が響いた。
「おい、真由美! いるのか!」
苛ちを隠そうともしない浩司の音が、廊をづいてきた。
リビングのドアが勢いよくき、のキーを指先で回しながら夫が入ってきた。
その顔には、いつもの嫌な主のが浮かんでいた。
「おい、夕飯まだできてないのか? 美咲のやつ、のでいくら待ってもてこないから、ずっと探してただろ。どこったんだ、あいつは」
何わぬ顔でそう吐き捨てる夫の顔を、私はじっと見据えた。