"毎日届く「パパを来させないで」" 第2話
「なんでパパまで連れてきたの」
美咲のその言葉を聞いた瞬、私の背筋にたいが流れ落ちた。
「え……?」
娘が恐れているのは、隣に乗っている見らぬではなかった。
くにまっている、自分の父親だった。
「佐藤さん、落ち着いてください」
運転席から、田島さんのく落ち着いた声が割り込んできた。
彼は両をハンドルからし、私を刺激しないようにゆっくりと見せていた。
「田島さん、これ、どういうことですか! うちの娘を連れてどこへく気だったんですか!」
半狂乱になりかける私を、田島さんはややかな、けれど確かなを宿した目で見据えた。
「駅の文具ですよ。ノートを買いたいって美咲ちゃんが言うから、送っていくところでした。着いたら、母親であるあなたに話させようとっていました」
「文具……? そんなの、私に言えば済む話です! なんで赤ののに……」
「ここ数、美咲ちゃんが放課、コンビニの周りを何度もったり来たりしてを潰しているのを見かけたんですよ」
田島さんは淡々と、しかし鋭い言葉を継いだ。
「今も、の向こうを伺いながら、泣きそうな顔で通用からてきた。だから声をかけたんです。『お父さんが迎えに来てるんじゃないのか』って。そうしたら、この子ははっきり言いましたよ。『今は乗りたくない』って」
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私の呼吸が止まる。
「子どもがそこまで怯えてるのに、見て見ぬふりはできませんでした。……佐藤さん、所付きいのない私がをす筋いじゃないのは分かってます。でもね」
田島さんは美咲をちらりと見やり、それから私を真っ直ぐに見据えた。
「子どもが親から逃げようとしてるなら、がちゃんと向きってやるべきだ。で抱え込ませちゃいけませんよ」
その、通りのほうからクラクションの音がく響いた。
浩司のが、待ちくたびれて移しようとしているのが見えた。
美咲が「ヒッ」とく喉を鳴らし、シートの奥へ潜り込むようにを縮めた。
これ以、ここで騒ぐわけにはいかない。
夫にこの景を見られたら、浩司は逆して田島さんに詰め寄り、修羅になるのは目に見えていた。
「……田島さん、失礼な物言いをして、本当に申し訳ありませんでした」
私はくをげ、助席の美咲のを取った。
美咲のは、真の氷のようにたくなっていた。
「美咲、りて。パパのには乗せわないから。ママと緒に歩いて帰ろう」
私の言葉に、美咲は恐る恐る頷き、ランドセルを抱えてをりた。
田島さんは何も言わず、ただ配そうに私たちを見送り、を発させてっていった。
私は美咲のをく引いて、浩司のからは見えない裏へと急いだ。
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宅の静かなに入り、周囲に誰もいないことを確認してから、私は美咲の目のにしゃがみ込んだ。
「美咲、目を見て」
娘は俯き、自分のスニーカーの爪先をじっと見つめている。
「パパに何かされたの? 叩かれた? 鳴られたの?」
美咲は首を横に振った。
「じゃあ、なんでパパのに乗るのを嫌がるの? ママに毎メールして……今だって、隣ののにまで乗ろうとして。体、何があったの?」
私の必の問いかけに、美咲のきな瞳からポロポロと涙がこぼれ落ちた。
さな肩が、自然なほど激しく波打っている。
そして、絞りすようにさな声が零れた。
「……パパのに乗ると、ずっと聞かれるの」
「聞かれるって……何を?」
美咲は怯えたように線を宙に泳がせ、震える唇をいた。
「パパね、がりすとすぐに……ママが今、何をしてたか全部言えって言うの」