"毎日届く「パパを来させないで」" 第1話
「今はパパに来させないで」
スマホの画面に表示された娘からのメッセージを、私はち止まって見つめた。
これで、連続だった。
学の美咲が、放課のチャイムが鳴る直、決まってこのだけを送ってくる。
夫の浩司は、自営業での融通が利くこともあり、昔から美咲の送迎を担当していた。
し神経質で束縛がいところはあるが、娘にをげたことなど度もない。
単なる反抗期だろう。
最初はそうっていた。
父親の過干渉を鬱陶しがる頃になったのだと、自分に言い聞かせていた。
けれど、胸のざわつきはを追うごとに濃くなっていった。
午半。
私はパートをしめに切りげ、美咲が通う学のへと向かった。
正のし、のに、見慣れた夫のシルバーのセダンがすでにアイドリング音をててまっていた。
運転席には、スマホをいじりながら方を注している浩司の横顔が見える。
いつも通りの景のはずだった。
やがて舎から、ランドセルを背負った児童たちがパラパラとてきた。
そのに、俯き加減で歩く美咲の姿があった。
美咲はをた瞬、ふと顔をげた。
そして、脇にまる父親のを界に入れた。
その刹だった。
娘のが、凍りついたようにピタリと止まった。
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美咲の背が、目に見えて張る。
次の瞬、娘はくるりと踵を返した。
正を背にして、敷の脇にある狭い通用のほうへ、りで向かっていく。
……え?
私の臓が嫌な音をててねた。
浩司のからは、舎の角になって美咲のきは見えていない。
美咲は通用を抜けると、脇にまっていた見覚えのない軽自の助席へ、迷うことなく駆け寄った。
躊躇することなくドアノブを引き、内へと滑り込む。
何が起きているのか、理解が追いつかなかった。
連れり?
誘拐?
のが真っになり、私は買い物袋を投げすようにして脇へと全力でった。
「美咲っ!」
叫びながら、軽自の助席のドアノブを側から力任せに引きけた。
「何してるの、美咲! りなさい!」
助席に縮こまっていた美咲が、息を呑んで私を見げた。
その顔は、血の気が完全に引いて真っだった。
運転席に座っていた男が、驚いたようにこちらを振り向く。
髪の混じった髪に、無の作業着。
見らぬ男ではなかった。
うちの隣のにで暮らしている、田島さんだった。
普段、回覧板を回すくらいしか言葉を交わしたことのない、無な男性だ。
「美咲……なんで、田島さんのに……」
声が震えた。
田島さんが何か言おうとをきかけた、そのだった。
美咲は私の顔を度も見ようとしなかった。
娘の線は、私の肩越し――通りにまっている父親のセダンのほうへ、怯えたように注がれていた。
そして、唇を刻みに震わせながら、掠れた声でこう言ったのだ。
「ママ……なんで、パパまで連れてきたの?」