みかん小説
本棚

"四年間、他人の父親" 第12話

消えたネックレス

曜の夜、事態は最悪の形で加速した。

翌朝に若葉学での最終者面談が控える、は季節れの激しいに見われていた。窓ガラスを叩きつける音が、リビングの静寂を暴力にかき乱していた。

夜の過ぎ。私のスマートフォンが激しく鳴った。

画面には川の名が表示されていた。

「もしもし、川さん?」

「美さんか! 変なことになった……織さんが、警察に連れてかれた」

を疑った。

「警察……? どうして織さんが?」

川の息は荒く、背景から激しいの音とワイパーの作音が聞こえていた。

「織の勤め先のビルの清掃現だ。階のテナントに入ってるジュエリー加の事務所から、預かり物のダイヤのネックレスが本消えたらしい。昼過ぎから清掃に入ってたスタッフ全員が疑われて、事務所に監禁状態で取り調べを受けてたんだが……織が過の元夫の借トラブルのせいで元確認に取って、そのまま武蔵野署に任同された」

「織さんが盗んだの!?」

「盗るわけねえだろ、あのが! ただの嫌疑だ、派遣の清掃員に全部擦り付けようとしてるだけだ! だが、署で調を取られて元引受が来るまで、今夜はしてもらえねえ。携帯も預かられてて連絡がつかねえんだ!」

のが真っになった。

広告

「の朝の面談は……?」

「それが問題なんだよ!」

川の声が鳴にくなった。

「の朝だ。学側は『母親本が来して除籍の経緯を説し、訂正印を押さなければ推薦類は破棄する』と通告してきてる。織が警察からられるのは、どんなにくてもの昼過ぎだ。には絶対ににわねえ!」

「陸くんは……陸くんはどうしてるの!?」

「あいつのボロアパートのまで来た。鍵がいてねえから、階段の踊りでずぶ濡れのままで座り込んでやがる。声かけても言も利かねえ」

受話器の向こうから、たいの音と、の荒い息遣いが微かに混ざりって聞こえてくるようだった。

母親が警察に連され、頼るべき父親は最初からせず、自分を守ってくれていたはにに、の朝には、自分の未来を繋ぐ唯の切符が無慈に破り捨てられる。

歳のが、たったで背負うには、あまりにも残酷すぎる夜だった。

「川さん、あなたが保護者代理として……」

「俺じゃ駄目なんだ!」

川が絶叫した。

「さっき教に話した! 『法な親族でもない単なるの代理席は認められない。庭環境の破綻と見なし、推薦は即却する』って突っぱねられた! 学側も教委に突っ込まれるのを恐れて、完全に守りに入ってやがるんだ!」

絶体絶命だった。

制度の壁が、慈のかけらもなく、あの親子を圧殺しようとしていた。

「美さん」

川の声が、突然くなった。異様な湿り気を帯びた、追い詰められたの声だった。

「今から、あんたのにく」

「え……?」

「頼む。頼むから、にいてくれ」

通話が方に切れた。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: