"四年間、他人の父親" 第11話
偽りの保証
翌朝、若葉学の教務から、浅野織に対して正式な「請」がされた。
曜の正午の類提期限をに、曜の放課、学側と浅野による緊急の協議をうという通告だった。
私は川に頼み込み、織と陸が待つ川の備へ向かった。
午。の事務所には、苦しい沈黙がち込めていた。
作業用のパイプ子に座る織は、元のバッグの持ちをくなるほどく握りしめていた。その隣で、陸は壁に背を預け、誰とも目をわせようとしない。
川がデスクのに、枚の類を広げた。
「織さん、これを使え」
それは、都受験用の『元保証変更申請』だった。
「俺の名をけばいい。俺が浅野の『の保証』として登録申請をす。浩の名は使えなくなったが、俺が保護者代理として誓約にサインすりゃ、教委の審査も形のでは通るはずだ。教にも俺から根回ししてある」
「川さん、駄目です」
織は即座に首を横に振った。その声は細かったが、鋼のようなさを持っていた。
「これ以、の嘘に頼るわけにはいきません。田さんのお名を勝に使わせていただいて、奥様にこんな惨めないをさせておいて……今度は川さんに嘘をつかせるなんて、絶対にできません」
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「嘘じゃねえだろ!」
川が声を荒らげた。
「俺は浩の親友だ。浩が守ろうとしたもんを、俺が引き継ぐのが筋ってもんだろうが! 陸の内申点はりてんだ。推薦を取り消されたら、般入試で受け直すしかなくなる。この期に志望を落とすことが、こいつのにどれだけ響くか分かってんのか!」
「分かっています!」
織がちがった。その拍子に、粗末なパイプ子が甲い音をてて倒れた。
「分かっているからこそ、終わらせなきゃいけないんです! 私が……私が母子庭だからって、世体を気にして、田さんの優しさに甘えて、嘘の父親を用し続けた。そのツケが今、陸に回ってきたんです。これは私が受けるべき罰です!」
「罰を受けるのはお袋だけじゃねえだろ!」
壁際にっていた陸が、突然鳴った。
の肩が激しくしていた。その瞳からは、ついに堪えきれなくなった粒の涙が零れ落ちていた。
「俺はどうなんだよ! 推薦がなくなったら、般で落ちたら、俺はけないかもしれないんだぞ! なんで今さら『正しいこと』を言いすんだよ! 浩さんがきてたは、みんな都よく笑ってたじゃねえか!」
「陸……」
「浩叔父さんは、俺たちのために嘘をついてくれたんだ! それを今になって『全部違いでした、ごめんなさい』ってげるのは……浩叔父さんのやってくれたこと全部を、汚いゴミ箱に捨てるのと同じだろ!」
陸は袖で乱暴に涙を拭い、のシャッターを押しげてへびしていった。
「陸! 待ちちなさい、陸!」
織が叫びながらを追おうとしたが、元がもつれてコンクリートのに膝をついた。
川が舌打ちをして煙をに投げ捨てた。
事務所のに残されたのは、倒れたパイプ子と、机のに放置されたの申請、そしてに崩れ落ちて震える母親の姿だけだった。
誰も、正しい答えを持っていなかった。
善から始まった嘘が、い歳をかけて全員のを縛りげ、今まさに全員を破滅へ引きずり込もうとしていた。