みかん小説
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"結婚式を欠席した家族は、私の夫をただの現場作業員だと思っていた" 第5話

『建設関係の仕事をしていて、現にもている』。それだけで分だ」

だが、この誠実な取り決めが、私の実の醜悪な本性を容赦なく炙りすことになるとは、このの私たちはまだ予だにしていなかった。

そのの8、お盆休みの曜。 彦さんは隣県のトンネル現での緊急ちいを終え、約束のに遅れまいと、汗とセメントの跡がついた作業着のまま、私の実へ挨拶に訪れてくれた。産に持参したのは、老舗の級羊羹だった。

「初めまして、真柴彦と申します。仕事帰りでこのような汚いなりで申し訳ありません」

玄関で々とをげる彦さんを迎えた母の顔は、瞬で引きつり、骨な嫌悪のに染まった。線は彦さんの顔ではなく、作業着の膝についたい擦れ跡に注がれていた。

居では、父がテレビを音量で点けたままソファにふんぞり返っていた。彦さんが挨拶をしてもちがろうともせず、目をわせようともしない。

「建設関係か。……まあ、雇いみたいなもんだな。体がかなくなったら即ポイだ。裕子も30半ばを過ぎて選べんかったんだろうが、がの品格を落としてもらっちゃ困るんだがね」

父の酷な言葉に、私のはりで震えた。 そこへ、2階から学院の拓也がだらしなくりてきた。

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には級スマートフォンを握り、彦さんを作業着の元からのてっぺんまで値踏みするように眺め回した。

「うわ、マジで現作業員なんだ。俺、来からのデベロッパーかスーパーゼネコンの本社総職狙ってるんすよね。現で汗垂らしてまみれになるとか、底辺のすぎて俺には絶対無理っすわ」

彦さんはることもなく、穏やかな笑みを浮かべて言った。

「現は確かに変だよ。でも、現がなければビルもも建たない。とても誇りある仕事だよ」

拓也は「はいはい、ご派ご派」とで笑い、ソファの肘掛けに腰をかけてスマホのゲームに没し始めた。で取られた寿司は、両親と拓也の分が特寿司で、彦さんのには番価な並寿司の桶が置かれた。

帰り、私は悔しさと申し訳なさで涙が止まらなかった。

「ごめんなさい、彦さん……! あんな失礼な親と弟、本当に信じられない……!」

彦さんは私のをぽんぽんと優しく叩いた。

「いいんだよ、裕子。おがってくれただけで、俺は救われた。気に病むことは何もないよ」

そして迎えた10。 拓也がゼネコン『映都建設』から内定を獲得したというらせが実に入った。 映都建設——それは皮肉にも、5に彦率いる相ホールディングスの傘に入った、グループ最の子会社だったのだ。

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彦はその事実をりながらも、「本の実力で掴んだ内定なら、俺がを挟む筋いはない」と、グループ事本部に「親族が内定者のにいるが、特別扱いは切無用」とだけ伝えていた。

しかし、この拓也の「映都建設への就職」こそが、全ての狂気の発点となった。 両親は拓也の内定を「森の最の栄誉」と祭りげ、親戚を巻き込んで料亭『松の』での盛な祝賀会を企画した。そしてその程を、半もから決まっていた私の結婚式当に、平然とぶつけてきたのだ。

式の控で、私に届いた拓也からの酷なLINE。 親族全員が料亭へ流れ、チャペルの親族席はゼロ。 りと屈辱で震える私をに、彦は静かに覚悟を決めたように言ったのだ。

「……じゃあ、内定は取り消す」

式のチャペルに、なパイプオルガンの音が鳴り響いた。 扉がにき、眩いがバージンロードを照らしす。本来なら私の隣を歩くはずだった父の姿はない。私は彦の頑丈な腕に自らの腕を絡め、2で歩ずつへんだ。

顔をげると、界の端に信じられない景がび込んできた。

空席のはずだった婦側の最列——そこに、凛とした姿勢で座る黒留袖の女性がいた。彦の母、千代さんだった。女つで彦を育てげた千代さんは、郎側の席を親族に譲り、自らたったで婦側の席の真んに座っていたのだ。

私と目がうと、千代さんは優しく微笑み、音をてずに元をかした。

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