みかん小説
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"結婚式を欠席した家族は、私の夫をただの現場作業員だと思っていた" 第2話

の集計だ。

『フォークリフトの角から作業員がびしかけた』 『濡れたでを滑らせそうになった』

毎提される数枚の報告を丁寧にエクセルにまとめ、現へ改善策をフィードバックする。で、誰かに自できるような肩きもない仕事だったが、私はこの類が1枚増えるたびに、現の誰かが怪をせずに済んだのだと誇りを持っていた。

しかし、私のまれ育った森において、私のは常に「普通」という淡な言で片付けられてきた。

私には、8歳の弟・拓也がいる。 拓也がまれたあのから、がの太陽は常に弟だった。

最初に記憶している烈な疎は、私が11歳、学5ののことだ。 父が仕事帰りに、内の番気の菓子からシュークリームを買ってきたことがあった。取引先からの貰い物のお裾分けだったらしく、箱のには掌サイズのきなシュークリームが1つだけ入っていた。

「これ、たっくんの!」

当3歳だった拓也が、舌らずな声で箱にを伸ばした。私も学帰りで腹が減っており、甘いカスタードのりにく惹かれていた。だが、母は迷うことなく箱を拓也のへ押しした。

「裕子はお姉ちゃんなんだから、しなさい」

「……半分こじゃダメなの?」

私が慮がちに尋ねると、母は眉を吊りげて私を叱責した。

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「拓也はまださいのよ! みっともないこと言わないの、お姉ちゃんでしょ!」

拓也はの周りをクリームだらけにして得げに笑っていた。だが、半分ほどべたところで飽きたらしく、フォークで残りのシュークリームをぐちゃぐちゃに潰して遊び始めた。

「もういらなーい」

母は「あらあら、もったいないわね」と笑いながら、無残に潰れたシュークリームをそのまま角コーナーへ捨てた。私は台所の流しで自分のコップを洗いながら、蛇の激しい音でをすする音を誤魔化した。私にはも与えられなかったものが、弟のでゴミ箱へ投げ捨てられる。それが森の常だった。

学2の、私は数学の定期テストで85点を取った。平均点が50点台の難関テストで、クラスでも片に入る成績だった。嬉しくて、夕の支度をしている父に答案用を見せた。父は広げていた聞から目をすことすらなく、「ふん、普通だな」と吐き捨てた。

その3、学3になった拓也が算数のテストで95点を取ってきた。 父は聞を放りし、答案を両で掲げて満面の笑みを浮かべた。

「さすが拓也だ! やっぱり俺の息子はの来が違う!」

母もフライパンを置いて駆け寄り、拓也のを何度も撫で回した。その晩の卓には、拓也の好物である鶏の唐揚げがのように積みげられた。

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拓也は唐揚げを頬張りながら、蔵庫にマグネットで貼ってあった私のの数学のテスト(70点)を指差してケラケラと笑った。

「お姉ちゃんのテスト、赤いバツがいっぱいある! 悪ーい!」

「の数学は難しさが違うのよ」

私がわず反論すると、母の鋭い菜箸が私の肩を突いた。

「弟相に気ないこと言わないの! お姉ちゃんなんだから受け流しなさい!」

私は黙って答案を蔵庫から剥がし、自分の部の引きしの奥底へ隠した。それ以来、私は度と族にテストの点数を見せるのをやめた。

の選択でも同じだった。 3の、私は県の私学で栄養学を学び、管理栄養士の資格を取りたいという希望を両親に伝えた。担任の教諭も「この学力なら分に格圏内だ」と推薦状をいてくれていた。 だが、母は願を瞥しただけでたく突き返した。

「自宅から通える元の公にしなさい。これから拓也の学学や塾代に莫なおがかかるのよ。お姉ちゃんならそれくらい分かるでしょ?」

父も煙の煙を吐きしながら、面倒そうに言い放った。

「女が県の学にて暮らしなんぞして、何になる。どうせ何か働いて嫁にくだけだろうが。をドブに捨てるような真似は許さん」

結局、私は片120分かけて元の公学へ通い、学費のしにするために駅のベーカリーで朝アルバイトを続けた。

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