"「貧乏神」と追い出された私、実家に帰ったら元夫一家が慌て始めました" 第11話
蓮は両をわせ、必の形相で智美を見げた。 「俺は、おに直接をあげたことはないだろ? 悪だって、母さんに同調したフリをしてただけなんだ! 本当はおをしてるんだよ! 母さんなんてもう縁を切る! 実にも度とかせない! だから……婚はなしにして、もう度やり直そう! な?」
面に座り込んだままの義母が、絶望の叫びをげた。 「れ、蓮ぉぉぉっ!! 母親を捨てる気なの!? この棒猫のために、私を捨てるの!?」
「当たりだろ! 嫁いびりしか能のないババアなんて、百害あって利なしだ! 俺は智美ときていくんだよ!」
のひらを返したように母親をゴミのように切り捨て、智美の実の富にすがりつこうとする男。 そのあまりに浅で、醜悪極まりない本性をにして、智美は吐き気すら覚えず、ただれみの目で元夫を見ろしていた。
「やり直そう、智美。俺たち、まだやり直せるよ。築のこの広いで、両親と同居したっていい! 俺がこの観農園の仕事を継いだっていいんだ!」
キラキラと目を輝かせ、無邪気な顔で未来を語る蓮。 その瞳の奥にあるのは、智美へのなどではない。広な農園の権利、ち並ぶスーパーカー、そして亜の豪邸という「」への烈な執着だけだった。
智美はフッとさく息を吐き、静かに微笑んでみせた。
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「蓮さん。そんなに私とやり直したいの?」
「当たりだろ! お以にせる女なんていない!」
「そう。嬉しいわ」 智美の声は驚くほど穏やかだった。 「じゃあ……つだけ条件があるの」
蓮がパッと顔をるくした。「条件!? なんだ、何でも言ってくれ! 母さんとの絶縁状なら今すぐく! 座でも何でもするぞ!」
智美は腕を組み、徹な線を蓮の眉へ突き刺した。
「私ね、今回のことでよーく分かったの。おや柄でを判断するような浅ましいにはなりたくないって。……だから、私も両親と話しって、決めたのよ」
「……決めたって、何を?」
「私、佐々の財産は、将来すべて
相続放棄
することにしたの。この豪邸も、農園の権利も、級も、私は円も受け取らない。ぜんぶ域の福祉施設と農業振興基に寄付する続きをめてもらうわ。……つまり、私自は、貯も資産もない、ただの取り万のしがない会社員よ」
蓮の表が、ピシリと凍りついた。
「それでも、あなたは私とやり直してくれるわよね? おじゃなくて、私というをしてくれているんだものね。でアパートを借りて、私のない料とあなたの料をわせて、質素に暮らしていきましょう?」
「え……? あ……いや……」 蓮の瞳から、急速にが失われていく。 元が引き攣り、線が往往と泳ぎ回る。
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「ど、どうしたの? 蓮さん。財産なんて関係ないんでしょう? 母さんを捨ててまで私を選んでくれたんだもの、私の実が文無しでも、何の問題もないはずよね?」
「い、いや……それは……だな……」 蓮は額から滝のようなや汗を流し、退りした。 「そ、そんな極端なことしなくてもいいだろ……? せっかくのご両親の好を無駄にするなんて親孝だし……それに、農園を継ぐのだって派なビジネスだしさ……」
智美の元から、ややかな嘲笑がこぼれた。 「ふふっ……やっぱりね」
「え……?」
「おのない私とやり直しても、何のもない――そう顔にいてあるわよ」
完全に本性を暴かれた蓮は、ぐうの音もずにをパクパクと閉させるしかなかった。
「目当ての寄虫が」
父・彦が、吐き捨てるように言った。 「が娘のを散々踏みにじり、母親の暴挙を黙認して優越に浸っていた男が、資産をった途端に母親を蹴りばして媚びを売る。……虫酸がるとはこのことだ」
母・静も、毅然とした態度で言い放つ。 「娘の苦痛を見て見ぬ振りをしてきた点で、あなたも派な加害者です。度と私たちのに姿を見せないでください。お引き取りを」
「待ってくれ! 頼む、智美! もう度話しおう! 俺が悪かった、悪かったから……!」 蓮が見苦しく智美のスカートの裾にすがりつこうとを伸ばした。
その瞬―― ガシッ!!
祖父・源蔵の骨張った逞しいが、蓮のの腕を万力のように締めげた。 「ぎゃああっ!?」