"「貧乏神」と追い出された私、実家に帰ったら元夫一家が慌て始めました" 第3話
『まさか。賀状に「おくにお越しの際はぜひ」って社交辞令を添えたのを覚えてらしたみたいだけど……それにしても、随分と気難しいお母様ね。智美、あちらで無理してないかい?』
「う、うん。丈夫だよ、配しないで」
母をさせるために嘘をつき、話を切った。 しかし、翌の夜。その「アポなし訪問」の真の図を、智美は最悪の形でることになる。
いつものように鍵で先回りしていた義母・悦子は、智美が玄関をけるなり、卑た嘲笑を顔いっぱいに浮かべて言い放ったのだ。
「あら、智美さん。今も遅かったのねえ。……まあ、あなたのご実を見てきた今となっては、あなたが夜遅くまでセコセコ働き詰めている理由が、よーく分かったわ!」
「……母から聞きました。昨は突然実へ伺ったそうで」 智美がを押し殺して言うと、義母はわざとらしく両で自分の肩を抱き、震いしてみせた。
「もうね、私、底ビックリ仰しちゃったわよ! あなたのご実、何なのあのボロ敷! 築何百かしら? 柱は煤けてるし、畳は擦り切れてるし、今にも座敷わらしでもびしてきそうな幽霊敷じゃない!」
「実は、祖父が若い頃に建てた昔ながらの本です。入れはき届いていますし、ボロ敷だなんて失礼です」
「あら、図を突かれてっちゃった? お父様とお母様も、だらけの軽トラックで帰ってきて、着ているは汚れた作業着! あんなの、ただの汚い百姓じゃないの! おまけに帰り際、産だって言って持たされたのが、畑から引っこ抜いたばかりのぬるい玉ねぎ個よ!? 臭くて汗臭くて、汚らしいったらありゃしない! スーパーにけば百円で買えるような物を押し付けてくるなんて、恥というものをらないのかしらね!」
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「お義母さんッ!!」 智美の喉から、りの叫びが爆発しかけた。 だが、義母は勝ち誇ったようにアゴを突きし、侮蔑の言葉をマシンガンのように叩きつけてきた。
「貧しい農民のが、あなたの骨の髄まで染み付いてるのよ! 貧乏暇なし、汗垂らしてに塗れて働かなきゃきていけないDNA! だからあなたも、主婦業を疎かにしてまで会社にしがみついてるのね! れな働き蟻さん! うちの蓮のような派なサラリーマンのに嫁げたことを、神仏に謝しなさい!」
自の実の両親を、に塗れた野菜を、侮辱された。 その夜、智美はもできず、枕を涙で濡らし続けた。
実へのアポなし訪問以、義母の智美に対する攻撃は、もはや「指導」などという易しいものではなく、完全な「精神虐待」へとエスカレートしていった。
『ほら、また畳んだバスタオルが曲がってる! 百姓育ちだからって雑な仕事を持ち込まないで!』 『蓮、見てごらんなさい。智美さんが作った噌汁、汁の取り方が品よ。やっぱり育ちの悪いの付けねえ』
義母は智美が畳んだ洗濯物をわざとで蹴散らし、掃除したばかりのを指で擦っては「汚い」と騒ぎてた。 そして、そのすべての嫌がらせは、蓮がの平の夕方に周到にわれていた。 蓮が帰宅した途端、義母は「息子をする健気でいママ」
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に変貌し、智美を「で姑の言うことを聞かないたい嫁」に仕てげるのだ。
蓮に訴えても、返ってくるのは酷な突き放しだけだった。 『母さんがそんなこと言うわけないだろ。おが被害妄たくましいんじゃないの?』 『母さんの悪ばっかり言うなよ。体さ、実が貧乏だからってコンプレックス刺激されてピリピリしてんだろ? みっともないぜ』
孤無援。 したはずの夫は、自分を見す側の共犯者だった。 (私さえすれば……答えせず、嵐が過ぎるのを待てばいい……) そうやってを麻痺させ、を殺し、ただの操り形のように毎をやり過ごしていた。
だが――ある曜の夕暮れ。 決定な瞬が訪れた。
蓮がパチンコにかけ、智美がでキッチンにち、夕の肉じゃがを作っていたのことだ。 いつものように勝にがり込んできた義母が、靴も脱ぎ散らかしたままズカズカとキッチンへやってきた。
「何作ってんの? ふうん、肉じゃがねえ。