"寝室にカメラを隠した夫と1億8000万円の遺産" 第17話
「警察が復元したメッセージ履歴、全て読みました」
私はたい声で続けた。
「お義母さんは、私が自分で判断できなくなるのを待っていた。そして自分の息子の借を、私の財産で穴埋めしようとしたんですよね」
『ち、違うわ。私はただ……』
義母は必に取り繕おうとしていた。
『財産は夫婦で使うものだとったのよ。私はを助けたかったの』
「助けたかった」
私はその言葉を反芻した。
「みんなそう言いますね。『私のために』『助けたかった』『配していた』と」
私はさくため息をつき、静かにしかしはっきりと告げた。
「でも、私が番苦しかった、あなたたちは笑って私を見していました。もう私に関わらないでください」
『待って。レイ奈さん、あの子を見捨てないで』
私は通話終ボタンを押し、義母からの着信を完全に拒否する設定にした。
数、しいマンションのポストに通のが届いていた。
差は義母の智子さんだ。
私はをかず、そのまま先の事務所へ持っていった。
「義母からが来ました。私は読んでいません」
先に封筒を渡すと、彼はそので封し、に目を通した。
「やはり、保のための言い訳が並んでいますね」
先はを机に置き、ため息をついた。
「『私は寝を撮れなんて言っていません』『あの子が勝にやったこと』『私はあなたを本当の娘だとっていた』だそうです」
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私はそれを聞いて呆れ果てた。
息子を助けたいと言いながら、いざとなれば全ての責任を正斗に押し付けようとしているのだ。
「誰を助けたかったのか。そこが事です」
先が私の目を見て言った。
「彼女が助けたかったのは息子でもあなたでもなく、自分自の平穏な活と世体です」
「そうですね」
私はく頷いた。
彼らが守ろうとしたものは族の絆などではなく、ただの自己保だった。
そのために、私というは踏み台にされようとしていたのだ。
には返事をせず、私はただ法な続きを淡々とめた。
義母の言い訳など、もう私のには何の波もたせない。
私に必なのは、彼らが犯した権利侵害に対する法な決着と、私自のしい活だけだった。
週末、私はしいマンションにしずつ荷物を運び入れた。
あのからは自分のと仕事の具、そして叔母の形見だけを持ちした。
正斗の部には切入らず、彼が買った具も全て残してきた。
しい部はまだ何もなくて、し殺景だ。
でもその何もない空が、私にはとても適だった。
誰にも監されず、誰の言葉にも怯えることのない私だけの所。
私は窓をけ、しいの空気を取り込んだ。
婚が成するまでにはまだしがかかるだろう。
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正斗は慰謝料や財産分与で抵抗してくるかもしれない。
しかし私には先という頼もしい方がいるし、何より揺るがない証拠がある。
私はもう、自分が壊れることを恐れない。
私は私のを自分のでき直すのだ。
婚調の第回期が、庭裁判所でかれた。
私は先と共に待に座り、静かに順番を待っていた。
正斗も代理の弁護士と共に、別の待にいるはずだ。
調は当事者が別々に委員と話す形式でむため、正斗に直接顔をわせることはない。
それでも同じ建物のにあの男がいるとうと、しだけ背筋がたくなるのをじた。
「レイ奈さん、丈夫ですか?」
先が声をかけてくれた。
「はい。緊張はしていますが、迷いはありません」
やがて私の順番が呼ばれ、調委員の男女が待つ部へと入った。
彼らは提された面や証拠に目を通し、私の言い分を静かに聞いてくれた。
「ご主からは、修復のがあると聞いていますが」
配の男性委員が確認するように尋ねた。
「私に修復のは切ありません」
私ははっきりと答えた。
「彼が私に対してったことは、夫婦の信頼を根底から破壊する為です」
私は先に促されるまま、用していた言葉を伝えた。
寝のカメラ、未記入の委任状、そして義母とのメッセージ。
私が精神に追い詰められていくのを、彼らがどう利用しようとしていたか。