"寝室にカメラを隠した夫と1億8000万円の遺産" 第14話
逃げたままで終わらせてはいけない。
私は彼が作った物語の被害者として終わるのではなく、自分ので彼を拒絶し、自分のを取り戻さなければならないのだ。
「わかりました。先が緒にいてくださるなら、彼と会います」
私は決を込めてそう答えた。
もう誰も、私を操ることはできない。
曜の朝。
私はいつもよりしくホテルの部をた。
昨夜は度もベッドのを確認しなかった。
自分の覚を取り戻しつつあることを、静かな自信としてじていた。
会社に着きパソコンをちげると、未読のメールが数件入っている。
そのに、先からのい報告があった。
『レイ奈さんの名義となっている全ての融関及び証券会社に対し、弁護士名義で通の送付を完しました。今、ご主からのいかなる照会や続きも拒否されます』
私はその文を読み、く息を吐きした。
これで、私が叔母から相続した約億千万円の資産は、正斗のから完全に切りされた。
彼がどれほど焦り、どんな嘘をつこうとも、もう円ともかすことはできない。
午の業務をこなしながら、私は議なほど静だった。
部からの決裁を処理し、来の予算会議の資料に目を通す。
数字は裏切らない。
私が確認し、承認した数字は会社の正式な記録として能していく。
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この当たりの常が、今は何よりもおしく、力くじられた。
昼休み。
私のスマートフォンがく震えた。
画面には正斗の名が表示されている。
着信ではなくメッセージだった。
『レイ奈、いい加減に帰ってきてくれ。し静に話しおう。俺はおのためにやったんだ』
私はその文字をややかな目で見つめた。
『おのために』。
私が番聞きたくなかった、そして番嘘にまみれた言葉だ。
彼はまだ私を騙せるとっている。
私がホテルで怯え、誰かの助けを待っていると勘違いしているのだ。
私はそのメッセージをスクリーンショットで保し、先に転送した。
返信はもちろんしない。
午を過ぎた頃、今度は義母の智子さんから着信があった。
スマートフォンの画面が点滅し、振が机のに響く。
私は仕事のを止めず、画面が暗くなるのを待った。
数分、留守番話にメッセージが残された。
『レイ奈さん、正斗が本当に困ってるのよ。あなたが勝にをて弁護士なんててるから。夫婦のことでしょう? おのことは正斗がうまくやるから、く戻ってきなさい』
義母の声は、以の配を装うトーンから、らかな苛ちを含んだものに変わっていた。
彼女もまた、正斗の借問題が隠しきれなくなり、焦り始めているのだ。
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私は留守番話の音声を保し、これも証拠のつとして残した。
彼らがけばくほど、自分たちの悪を裏付ける証拠が積みがっていくことに、彼らは気づいていない。
夕方、先から話があった。
「レイ奈さん、ご主の代理から連絡がありました。ご主は婚には応じられないと主張しています」
私は驚いて尋ねた。
「応じられない、ですか?」
「ええ。あくまで夫婦のすれ違いであり、修復は能だと言っています」
先は呼吸置いた。
「そして、あなたと直接会って話したいとく求めてきました」
私は迷わず答えた。
「わかりました。面会に応じます」
先は承諾した。
「所は私の事務所に設定します。は今週の曜の午。それでよろしいですか?」
私は頷いた。
「はい、丈夫です。会社には半休を申請します」
話を切った、私は帳の曜の欄に『面会』とき込んだ。
ペンを持つがわずかに震えていることに気づいた。
恐怖ではない。
彼がどんな顔で現れ、どんな嘘を吐くのか。
それを全て見届け、私が私自の言葉で彼を拒絶するが来るのだ。
私は帳を閉じ、残りの仕事を片付けるためにパソコンに向かった。
曜の午。
私はしめに先の事務所へ到着した。
応接に通され、温かいお茶をいただきながらを落ち着かせる。
「レイ奈さん、今のご主はおそらくあなたに同を引くような態度を取るでしょう」