"寝室にカメラを隠した夫と1億8000万円の遺産" 第9話
でも、あのカメラが隠されていた広くて派な寝よりも、ずっと全で呼吸がしやすい。
私はもう自分を疑うのはやめようと決めた。
翌の夕方。
私は法律事務所を訪れた。
応接に通されると、先はすでにいくつかの資料を机に広げて待っていた。
「レイ奈さん、し顔が良くなりましたね」
私はソファに座り、頷いた。
「はい。昨は久しぶりに朝まで眠れました」
先はし微笑み、資料に線を落とした。
「それは何よりです。さて、今は今の対応についてお話しします」
先は真剣な表になり、枚の類を私に見せた。
「警察から連絡がありました。あのカメラと古い端末ですが、購入履歴などをこれから詳しく調べるそうです」
先はペンを置き、私を見つめた。
「ただ、刑事事件として件するには、盗撮などの目をさらに確にする必があります」
私は類を見つめながらをいた。
「夫は、私が自分で財産を管理できなくなったと証するために、あんなことをしたんですよね」
「その能性がいです。あの医療相談のメモがそれを示しています」
先はペンを取りし、のに図を描き始めた。
「ご主は、あなたを精神に無能力だと周囲に信じ込ませ、財産管理の権限をに入れようとした」
先はペンの先で図を指した。
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「しかし、なぜそこまで焦っていたのでしょうか? 億千万円という額はきいですが、普段の活に困っていたわけではないのですよね」
私は頷き、先に答えた。
「正斗は財務コンサルタントとして独していて、収入は定しているはずです。なくとも、私にはそう言っていました」
先は顎にを当て、考え込んだ。
「そうですか。では私の方で、しご主の事業の状況を調べてみます」
「事業の状況を?」
先は私に向き直り、説を続けた。
「ええ。財務コンサルタントというのは、にきなリスクを背負うことがあります。彼が本当に定しているのか、それとも何か別の事があるのか」
先の目は鋭いを放っていた。
「それが分かれば、あの解なの理由もはっきりするはずです」
私は先の言葉を聞きながら、正斗の最の様子をい返した。
そういえばここ数ヶ、彼は夜遅くまでパソコンに向かっていることがかった。
私が声をかけても、イライラした様子を画面に隠すようにしていた。
ただ仕事が忙しいだけだとっていたが、もしかしたら何かトラブルを抱えていたのだろうか。
私は両を膝ので握りしめた。
「先、お願いします。正斗の本当の目をりたいんです」
先はく頷いた。
「わかりました。
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しをください。それと、レイ奈さんの個の座や相続財産は、全のためにパスワードの変更や印鑑の管理を厳にしておいてください」
私は真剣な表で頷いた。
「はい。すぐにやります」
私は事務所をて、ホテルの部に戻るを歩きながら、夜をく吸い込んだ。
正斗の優しい声の裏にあった、黒くてたい悪。
私はもうそれに怯えるだけの妻ではない。
彼が私をどうしようとしていたのか。
そして何を隠しているのか、全てをらかにして、私は自分のを自分自のに取り戻すのだ。
先の事務所を訪ねてから数が経過した。
私はまだビジネスホテルから会社へ通い、正斗に度も連絡を取っていなかった。
スマートフォンの画面には、彼からの着信履歴と『度話そう』『配している』というメッセージが残っている。
しかし、その文字を見るたびに、ベッドの裏に隠されていたあの黒いレンズと、医療相談用メモの言葉がをよぎる。
私を配するふりをして、私自に狂気を植えつけようとしたと、何を話せばいいのか。
仕事のに、私はの窓へ向かった。
先の助言通り、叔母から相続した財産が入っている座の暗証番号を変更し、登録印鑑を切り替えるためだ。
窓の女性は丁寧に対応してくれたが、類を確認しながら尋ねてきた。
「ご本様以の引きしや続きを制限したいということですね?」