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"寝室にカメラを隠した夫と1億8000万円の遺産" 第7話

先が静かににて、正斗に名刺を差しした。

「弁護士のです。警察の方には、すでに状況を全て確認していただきました」

正斗は名刺を受け取ることもせず、ただ苦々しい顔で先を睨みつけた。

警察官が正斗に向き直り、のの状況や最の審者についていくつかの質問をした。

正斗は首を振り続けた。

「何もらない。最は忙しくてにいなかった」

彼はそれだけを繰り返すばかりだ。

その態度を見て、私は今正斗とこれ以言葉を交わすはないと悟った。

彼は真実を語るつもりはないし、私を配するふりすらもうできない状態だ。

私は正斗から線をし、きっぱりと言った。

「今はこれ以話さない」

私は寝から持ちしていたさな旅カバンをに取り、正斗のを通り過ぎようとした。

「逃げるのか」

正斗は私の腕を掴もうとを伸ばした。

しかし先がに入り、そのを遮った。

私は振り返り、正斗の顔を度だけ見た。

「れるの。証拠が何なのかはっきり分かるまでね」

私はそう告げ、玄関へ向かった。

逃げるのではない。

私の残された判断力とこれからのを守るためにれるのだ。

私はそので、あらかじめ予約しておいた駅のビジネスホテルへ向かった。

先は警察の現検証が終わるまでち会い、で連絡をくれることになっている。

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ホテルのさなシングルルームに入り、私はドアの鍵をにかけた。

カバンをに置き、靴を脱いでベッドに腰をろす。

静かだった夫の寝息も、蔵庫のいモーター音も聞こえない。

完全にきりの空だ。

私はふと、自分が座っているホテルのベッドのが気になった。

臓が再び嫌な音をてて鐘のように打ち始める。

ここは全なホテルだと分かっているのに、どうしても確認せずにはいられなかった。

私はにいつくばり、スマートフォンのライトをつけてベッドのを覗き込んだ。

そこにはしの埃があるだけで、怪しい箱も配線も何もなかった。

「何してるんだろう、私……」

自分自ののおかしさに、わず乾いた笑いが漏れた。

でも、覗かずにはいられなかったのだ。

あの寝で過ごした、はずっと見張られていたのかもしれない。

私がで泣いていた夜も、薬をんで苦しんでいた朝も、全て記録されていたとしたら。

その恐怖が、私のにく根を張っていた。

数、先から話があった。

「警察の回収と現の確認は全て終わりました」

私はベッドのに座り直した。

「ありがとうございます。主は何か言っていましたか?」

先は淡々と答えた。

「何も。ただ非常に苛った様子で、自分の部に閉じこもりました」

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先の声は事務で、それが逆に私をさせた。

「レイ奈さん、からどうしますか?」

私はし考えてから答えた。

「会社にはきます。休んでにいるより、仕事をしている方が気が紛れるとうので」

「分かりました。警察の鑑識結果がるまでにはしがかかります。それまでは、ご主ときりになるのは避けてください」

「はい。しばらくはこのホテルから通勤します」

話を切った、私は窓のに広がる夜のを見ろした。

私がでホテルに泊まるなんて、結婚してから初めてのことだ。

正斗は今頃、あの静かなで何を考えているのだろうか。

計画がバレたことに焦っているのか。

それとも次の言い訳を考えているのか。

どちらにせよ、もう私が彼に優しく寄り添うことはない。

私は枕元のかりを消し、ホテルのいベッドに横になった。

議なことに、この半で番い眠りにつくことができた。

私を苦しめていたのは病気でも疲労でもなく、夫が作ろうとしていた『狂っていく妻』という物語だったのだ。

私はその物語から抜けし、自分を取り戻すための第歩を踏みしたのだ。

は会社へき、自分の判断力が本当に失われているのか確かめなければならない。

私は静かな暗のでそう決した。

翌朝。

私はホテルの部で目を覚ました。

半ぶりに、痛のないすっきりとした朝だった。

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