"寝室にカメラを隠した夫と1億8000万円の遺産" 第3話
の曜の午。
予定通り、清掃業者の坂本さんが私の自宅へやってきた。
彼は代半の真面目そうな男性だった。
玄関で丁寧にお辞儀をし、挨拶をしてくれた。
「お話でお聞きした寝のベッドですね」
私は頷き、彼をのへ招き入れた。
「はい。こちらです」
私は坂本さんを案内し、使ってきた寝のドアをけた。
正斗は朝から仕事でしており、のには私と坂本さんしかいない。
私は部の央にあるベッドを指差した。
「このきな製ベッドなんですが、からの汚れがるんです」
坂本さんは具箱をに置き、マットレスの端へ顔をづけた。
彼はじっと汚れを観察し、さく頷いた。
「確かに、側にし自然な汚れが付着していますね」
私はな気持ちを抑えながら説を続けた。
「数おきに掃除をかけても、またすぐに同じ汚れが落ちてくるんです」
坂本さんは周囲の空気を嗅ぐように、顔をげた。
「匂いもし気になりますね」
私は彼の言葉に同し、尋ねた。
「カビでしょうか?」
坂本さんは顎にを当て、し考え込んだ。
「湿気の能性もありますが、まずはフレームをかしてみましょう」
坂本さんはちがり、ベッドの端を両でしっかりと掴んだ。
から使っているこのベッドは無垢材でできていて、非常にい。
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彼は私の方を振り返り、申し訳なそうに言った。
「奥さん、しだけを貸してもらえますか?」
私は袖をまくりげ、頷いた。
「はい、わかりました」
私は反対側に回り、ベッドの端を両で掴んだ。
で呼吸をしてから、気にベッドを引っ張った。
ズリズリとい音をてて、ベッドが壁からしずつれていく。
の埃がいがり、私はわず元を片で押さえて咳き込んだ。
嫌な臭いが、さっきよりもはっきりと部のに広がっていく。
坂本さんは先にの埃を掃除で丁寧に吸い取った。
彼は掃除を止め、型のライトを取りした。
「次は、フレームの裏側を確認しますね」
坂本さんはベッドのへ体を滑り込ませた。
私はそのろ姿を見守りながら、胸ので両を組んだ。
ようやく眠の原因が分かるかもしれないと、しだけ期待していた。
しかし、ベッドのを覗き込んだ坂本さんのきが、突然ピタリと止まった。
ライトのが点に固定されている。
彼の背が直しているのが、私にもはっきりと分かった。
部のは、気なほどシーンと静まり返っていた。
「えっ……」
坂本さんのさな声が、静かな寝に響いた。
私はになり、を乗りした。
「どうしました?」
私が尋ねても、坂本さんはすぐには答えてくれなかった。
ライトのがあちこちを照らし、また箇所でじっと止まる。
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坂本さんは体を半分起こし、もう度ベッドの裏側を覗き込んだ。
そして、ゆっくりとこちらを振り向いた。
その顔は青ざめ、極度の緊張を含んでいた。
彼は震える声で私を呼んだ。
「奥さん」
私は驚き、目を丸くした。
「はい」
彼は真剣な差しで私を見つめた。
「く来てください」
私は戸惑いながらも、そのにち尽くした。
「え?」
彼はさらにい調で繰り返した。
「く、これを見てください」
ただごとではない声の響きに、私の臓がドクンときくねた。
私は急いで坂本さんのそばへき、にたい膝をついた。
「何があったんですか?」
坂本さんは私の顔を真っ直ぐに見て、を押した。
「いいですか? 絶対に指は触れないでくださいね」
私は息をみ、さく頷いてベッドのを覗き込んだ。
ライトのいが当たっているのは、ベッドの央部分の裏側だった。
最初はそれが何なのか、私の目にはすぐには理解できなかった。
のフレームの裏側に、本来の構造にはない黒くてい箱のようなものが取り付けられている。
の汚れの正体は、その箱や配線を固定するために使われた粘着テープが劣化した跡だった。
私は目を凝らし、その物体を見つめ続けた。
「これはベッドの元の構造じゃないです」
坂本さんはライトのをし横にずらした。
「ここを見てください」
の先にあったのは、さな丸いレンズだった。