"寝室にカメラを隠した夫と1億8000万円の遺産" 第2話
に帰れば、正斗が配そうな顔をして私を見てくるからだ。
『最ぼんやりしてるよ。忘れっぽくないか』
彼は私の些細なを指摘してくる。
鍵を閉めたかになって、途でに戻ったことも度や度ではない。
その度に正斗はため息をつき、私の背をさすった。
『ほら、やっぱり疲れてるんだ』
彼は私をなだめるようにそう言った。
その言葉を聞くたびに、私はしずつ自分の記憶や覚に自信を持てなくなっていた。
このままでは、会社できなミスをしてしまうかもしれない。
私はついに休暇を取り、専の病院へくことを決めた。
青葉病院の診察。
私は机を挟んで、医師の田先に向かいっていた。
血液検査や般な検査を全て終え、結果を聞くためだ。
田先は検査結果のを机のに置き、穏やかな声で話し始めた。
「島さん、きな異常は何もありませんよ」
私はな気持ちを抑えきれず、を乗りした。
「でも、夜に何度も目が覚めるし、朝起きるとひどい痛がするんです」
田先はカルテに目を落とし、静かに頷いた。
「ストレスや自律神経の乱れも考えられますが、まずは眠環境を見直してみましょう」
先は指を折り数えながら、いくつかの項目を挙げた。
「騒音、、温、それから寝具ですね」
私は驚いて、先の顔を見つめ返した。
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「寝具ですか?」
先は微笑みながら、軽く頷いた。
「ええ、とそういう物理な原因で眠りが浅くなることはあるんですよ」
私は処方された軽い眠薬を受け取り、病院をにした。
薬で制に眠るに、やれることは全てやってみようとった。
そのの午。
私は自宅の寝にち、から使っているきな製ベッドを見ろした。
しゃがみ込み、マットレスの端を持ちげてみる。
すると、かすかに嫌な匂いが漂ってきた。
埃のような、の奥にまとわりつく嫌な匂いだ。
私は線をげ、ベッドののを覗き込んだ。
そこには、の細かい汚れが落ちていた。
シーツの元にも、い黒い跡のようなものがついている。
掃除をかけても、数経つとまた同じ汚れが戻ってくるのだ。
夜になって正斗が帰宅した。
私は彼をリビングで呼び止め、ベッドの汚れについて相談した。
「ベッドの裏側にカビがえているのかもしれないの」
正斗はネクタイを緩めながら、面倒くさそうに顔をしかめた。
「ただの湿気じゃないのか」
私は首を横に振り、彼の目を見た。
「でも臭いもちょっと変だし、専のに見てもらおうとうの」
正斗のネクタイを緩めるがピタリと止まった。
彼はゆっくりと私を振り返った。
ほんの瞬だけ、彼の顔から表が完全に消えたように見えた。
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彼はすぐにいつもの表に戻り、たい声で言った。
「そこまでしなくても、しいのを買い換えればいいだろう」
私はく首を振って反論した。
「も使って着があるし、回ちゃんと見てもらいたい」
正斗はそれ以私と目をわせず、背を向けた。
「好きにしたらいい」
彼はに呂へと向かってしまった。
し自然な態度だったが、当の私はそれどころではなかった。
とにかくこの眠から解放されたくて、すぐに清掃業者を調べたのだ。
インターネットで元の専業者を探し、私は予約の話を入れた。
話にた坂本という男性は、元のスケジュールを確認するようなをけた。
「の午なら空いています」
私は堵の息を吐き、状況を説した。
「ベッドから妙な汚れがるんです」
坂本さんの力い声が話から響いた。
「わかりました。フレームの裏までしっかり確認しましょう」
その言葉を聞いて、私はしだけほっとした。
正斗は、仕事でする予定になっていた。
私でち会うことになるが、く原因を突き止めたかった。
このが、私のの結婚活を根本から覆す引きになる。
そのの私は、そんなことなどる由もなかった。
私は帳の曜の欄をき、ペンをらせた。
清掃業者の予約をしっかりとき込む。
そして、ベッドのに落ちているの汚れを、もう度じっと見つめた。