"十一時八分の「家に着きました」" 第15話
目のメッセージ
画面が青く発した。
SMSの受信通だった。
差は、あの登録のない桁の数字。
阿佐ヶの定で別れて以来、半ぶりの通だった。
私は震える指で画面をタップした。
『に着きました。』
いつもの、最初のだった。
、何百回と見てきた無質な文字列。
けれど、今夜はそこで終わらなかった。
秒のを置いて、画面がスクロールするようにしい文章が滑り込んできた。
『、会社に返事をします。きたいとっています。』
胸の奥が、ぎゅっと締め付けられた。
彼女の決だった。歳の女が、誰の助けも借りず、自分のでしい所へ踏みそうとする、固く閉ざされた志。
だが、画面のかりは消えなかった。
さらに秒、震えるようにして最のが追加された。
『でも今回は、あなたの見を先に聞いてみたいです。』
目のメッセージ。
その文字を見た瞬、喉の奥からいものが込みげてきた。
彼女は求めていたのだ。
助けてほしいわけでも、代わりに決めてほしいわけでもない。
自分の選んだが、自分のした決断が、この世界の誰かにとって無関係ではないのだと。
自分がい所へってしまうことを、寂しいとったり、気にかけてくれたりするのがするのだと、確かめたかったのだ。
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それは、彼女がので、初めて者に向かって差しした、無防備な掌だった。
私はスマートフォンのキーボードをいた。
、度も触れたことのない入力欄。
そこにカーソルがさく点滅している。
文字を打とうとすると、指先がひどく震えた。
文字打てば、私は境界線を越えてしまう。
私はもう、「違えられただけの無関係な受信者」ではなく、田辺理というのに介入した当事者になってしまう。
それでも、私の指は止まらなかった。
『なら、会って話しなさい。』
送信ボタンを押した。
画面のに、初めて私の側の緑の吹きしがまれた。
で、最初の返信。
送信された文字を見つめていると、ほんの秒ほどで、画面の端に「既読」の文字がついた。
すぐに返信が返ってきた。
『どうしてですか?』
理の戸惑いが、文字の隙から滲みていた。
私は迷わずに、親指をかした。
『こういう話は、番号だけに送るものじゃないから。』
画面を見つめたまま、息を止めて待った。
分が過ぎ、分が過ぎた。
やがて、画面の向こうから、く言だけが届いた。
『……はい。』
計は分を指していた。
私はく、く息を吐きした。
え切っていたはずの部の空気が、どこか微かに緩んだような気がした。
私はちがり、の朝番で取るべき半休の申請メールを、会社のアドレス宛てに打ち込み始めた。