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"失踪した兄へ父が送り続けた金" 第10話

お兄ちゃんがを追いされた本当の引きを引いたのは、お父さんでも、お兄ちゃん自でもない。……修平、あなたね」

修平は乾いた笑い声をてた。 力なくを振り、井を仰ぎ見る。

「そうだよ。全部、俺のせいだ」

弟のから語られたのは、に葬りられた、あまりにも浅ましく、取り返しのつかない過ちの記録だった。

当歳の修平は、学のに誘われ、未公株と怪しい先物取引にをしていた。 最初は数万円の儲けがた。 だが、バブルの遺症が残るで気に暴落し、気がついたときには千万円を超える負債を抱えていた。

学の分で返せる額ではない。 まがいの融業者から連脅迫を受け、追い詰められた修平がをしたのは、父の会社の庫だった。

「親父の実印と、会社の社印を持ちしたんだ」

修平の指が、畳の縁を無になぞる。

「会社の名で、裏のから千百万円の約束形を切った。期までに株が持ち直せば、すぐに穴埋めできるって……本気でそうい込んでたんだ。馬鹿だよな。本当に、救いようのない馬鹿だった」

もちろん、株が持ち直すはずもなかった。 形の渡り期が迫り、会社にの男たちが乗り込んでくる寸、その異変に気づいたのが専務だった兄・也だった。

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兄は帳簿の自然な記載を洗いし、修平を事務所のに呼びした。

『殴られたよ』

修平が頬を歪めた。

『まれて初めて、兄貴に顔の形が変わるまで殴られた。「おがやったことはただの借じゃない、横領と詐欺だ」「親父の会社を潰す気か」ってな。俺は泣いて謝ったよ。警察にだけは突きさないでくれって、のコンクリートに額を擦りつけて頼んだ』

だが、兄は徹だった。 『警察には言わない。だが、今すぐ学を辞めて、親父にすべてを状しろ。おは度、どん底まで落ちなきゃ治らない』

そのの夜、実の仏で、母が也のに正座してをついたという。

『也、頼むから修平を許してやっておくれ』 『あの子が警察に捕まったら、川のはおしまいだよ。お父さんにも言わないでおくれ。お父さんがったら、修平を殺してしまう』

泣き叫ぶ母を見て、兄は晩、腕を組んで黙り込んでいた。 そして翌朝、兄は修平にこう告げた。

『俺が何とかする。形のは、俺の役員報酬の積と、俺個の名義で借り換えて処理する。その代わり、修平、おはこのをて、自分で働いて円残らず俺に返せ』

兄は、弟を庇ったのだ。 自分の将来を担保に入れて、修平の犯罪をもみ消そうとした。

「だけど……そのの夕方だった」

修平の声が震え、息が詰まった。

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「親父が、から戻ってきたんだ。取引先から、うちの穏な形が回ってるって噂を聞きつけてな。親父は狂ったように鳴り散らして、事務所の庫をひっくり返した」

父がにしたのは、兄が修平の借を本化するために作成していた、千百万円の借入計画だった。 そこには、兄の署名と捺印がされていた。

父は、兄が自分の会社を乗っ取るために、裏で正な資作をしていたと完全に誤解したのだ。

「俺は……居の襖の隙から見てたんだ」

修平の目から、再び涙が溢れした。

「親父が兄貴を鳴りつけてた。『おが会社をい物にしようとしてたのか』『弟を差し置いて、ひとりで甘い汁を吸う気だったのか』って。兄貴は……言も言い訳をしなかった。俺の名をせば、俺がやったって言えば、兄貴は助かったのに」

兄は、ただ父をまっすぐに見据えてこう言ったという。

『このやり方じゃ、どのみち会社は潰れる。親父の代はもう終わりだ』

それが、父の逆鱗に触れた。 会社の私物化を疑われ、さらに経営者としてのプライドを々にされた父は、完全に理性を失った。 そして、あの凄惨な号とともに、兄を真のへと叩きしたのだ。

「俺は……怖かったんだよ」

修平はを抱え、獣のように喉を鳴らした。

「親父が怖かった。警察にくのが怖かった。

だから、襖の向こうで震えてるだけで……何も言えなかった。兄貴の鞄がに放り投げられる音を、布団を被って聞いてたんだよ……!」

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