"元妻の弟に渡した6万円と12年前の手紙" 第26話
「俺、なつみさんに頼ってもらえてすごく嬉しいんです。姉ちゃんができなくて俺が止めてやれなかったこと、今やり直せている気がしますから」
その言葉が、私のの最もい所をじんわりと温めてくれた。
12、さおりは頼るという選択から逃げた。
その結果として、私たちは2度と取り戻せないを失ってしまった。
でも今、私はてつや君を頼り、彼もそれを受け入れてくれた。
血の繋がりもない。
戸籍の関係もすでに切れている元義弟。
それでも、私たちが言葉を交わして築き直した絆は、確かにここにある。
「じゃあ類には慮なくかせてもらうね」
彼も嬉しそうに答えた。
「はい、よろしくお願いします」
話を切った、私はペンを取り、類の緊急連絡先欄に向かった。
てつや君の所と話番号、そして名を文字ずつ丁寧にき込んでいく。
続柄の欄にはし迷った末に、「弟」とき入れた。
法律の定義がどうであれ、彼は私にとって過を共する切な族だ。
全ての空欄が埋まった類を見て、私はく息を吐きした。
それは私が抱えていた、孤独という呪縛からの解放だった。
1できることと、誰にも頼らないことは決して同じではない。
さおりが最まで気づけなかったその答えに、私はようやくたどり着いた。
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私は同を封筒にしまい、への準備を終えた。
健康診断から2週、検査結果の通がに届いた。
分い封筒をける、ほんのしだけ指先がたくなるのをじた。
12のさおりも、きっとこんなに1で結果のと向きったのだろう。
私はさく呼吸をして、から折りたたまれたを取りした。
結果は全ての項目で異常なしだった。
私はきく堵の息を吐きし、すぐにスマートフォンをにした。
てつや君にメッセージで結果の写真を送ると、すぐにスタンプと緒に返信が来た。
「よかったです。これでですね。これからも体に気をつけてください」
彼のからの言葉に、私は返信した。
「ありがとう。またご飯にこうね」
私とてつや君の関係は、に1度ほど事をしたり況を報告しったりする穏やかなものになっていた。
お互いに干渉しすぎることはないが、何かあればいつでも頼れるという確かながそこにはあった。
もまり、々の葉がすっかり落ちた11の終わり。
私の語学教でのレベルが1つがり、会話のクラスへとんだ。
クラスメイトたちは、それぞれの目標に向かってに学んでいる。
あるの授業、私は担任の講師に呼び止められた。
「なつみさん、来のにうちの教が企画している期留学のプログラムがあるんですけど、興ありませんか?」
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渡されたパンフレットには、私がさおりと緒に暮らしていた国の名がかれていた。
講師が説を続ける。
「2週の滞で、現の語学学に通いながらホームステイをするプログラムです。なつみさんの今のレベルなら、きっと充実した経験になるといますよ」
私はパンフレットを受け取り、表の美しい並みの写真を見つめた。
12、その国の写真を見ることすら避けてきた私だったが、今は議と恐怖もしみもなかった。
私は素直にお礼を言い、パンフレットをバックにしまった。
「考えてみます。ありがとうございます」
帰りのので、私はパンフレットを広げてじっと眺めていた。
あの国での々は、さおりとの幸せな記憶の象徴であり、同に絶望の始まりでもあった。
もしあの国へ再びけば、過の記憶が鮮に蘇り、私のを揺さぶるかもしれない。
しかし今の私は、もう過のに怯えるだけのいではない。
捨てられたとっていた過が、いに守られていたという真実をっている。
そして自分のでち、自分のを選び取るさも持っている。
私はマンションに帰り、リビングの壁にかかっているカレンダーを見た。
来の。
仕事のスケジュールを調すれば、2週の休みを取ることは能ではない。
私は決を固め、翌の昼休みに講師へ参加のを伝えた。