"元妻の弟に渡した6万円と12年前の手紙" 第24話
事の、駅へ向かうでてつや君がふとち止まった。
「あの、なつみさん」
私が頷く。
「うん」
彼はし恥ずかしそうに言葉を選びながら言った。
「俺、実は最しだけ貯を始めたんです」
彼はその目をにした。
「いつか姉ちゃんの墓を、もうし派なものにしてやりたくて」
彼の決は固かった。
「今の墓も悪くないんですけど、母さんと緒に入るにはしさくて。俺が1になった証として、自分ので建て直したいんです」
私は彼のその目標を聞いて、胸がくなるのをじた。
彼はずっと、過を償うことばかり考えてきた。
しかし今は、未来に向かって自分のでおを使おうとしている。
私は彼を励ました。
「いい目標ね。さおりも絶対ぶとう」
彼は力く宣言し、駅の改札へと消えていった。
「はい。何かかるかわからないですけど頑張ります」
彼のろ姿を見送りながら、私は自分のこれからの目標について考えた。
ローンが終わり、きな銭負担はなくなった。
友たちとの旅もいいけれど、もっと別の何か、自分自のためのしい目標が欲しかった。
私はマンションへ帰り、リビングの窓際にあるダイニングテーブルに座った。
テーブルのには、先理した類ケースのから取りしておいたさおりのの原本がある。
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私はそのを広げることはせず、ただ封筒を指で優しくなぞった。
彼女は私から選ぶ権利を奪ったと悔していた。
「1にしないでって言う。私と緒に選んでくれるって聞く」
その彼女の悔に応えるために、私にできることは何だろうか。
それは私がこれから先のを、自分ので力く選び取っていくことだ。
もう誰にも自分のを決めさせない。
過を言い訳にして逃げることもしない。
私は自分のでち、自分の目で見て、自分ので考えてきていく。
それが、私なりの彼女への返事だとった。
私はパソコンをき、いくつかの語学教のサイトを検索し始めた。
さおりと緒にで暮らしていた頃、私は英語がしだけ話せた。
しかし帰国してからの12、英語を使う会は全くなく、すっかり忘れてしまっていた。
もう1度、あの頃の語学力を取り戻したい。
そしていつか、彼女と緒に歩いたあのの町を、自分のでもう度歩いてみたい。
それは過を取り戻すための旅ではなく、しい自分に会うための旅だ。
私は1つの教の体験レッスンのページをき、迷うことなく申し込みボタンをクリックした。
画面に「予約が完しました」という文字が表示される。
私のしいが、はっきりときした瞬だった。
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リサイクルセンターで働きながら、墓を建てる目標を持つてつや君。
そしてもう度語学を学び直し、自分のでへこうとする私。
私たちはさおりが残したしい嘘から発し、それぞれのを取り戻した。
窓のからは、の虫の音が静かに聞こえてくる。
部のはとても温かく、私のはこれまでにないほど満ちりていた。
私はノートとペンを取りし、からの予定をき込み始めた。
語学教に通い始めてから、3ヶが過ぎた。
平の夜、週に1度のレッスンは私のしい常として完全に定着していた。
クラスには様々な代のがいて、それぞれの目標に向かって英語を学んでいる。
今のレッスンのテーマは、自分のに響を与えたについていスピーチをすることだった。
順番が回ってきて、私はしだけ緊張しながら教のにった。
12、私は自分の過についてにく語ることは決してなかった。
婚した理由は性格の致だと適当にごまかし、元妻のはなかったものとしてきてきた。
しかし今の私は、用してきた原稿をに、ゆっくりとをいた。
「私には、かつて緒に暮らしていた切ながいました」
たどたどしい英語だったが、私はさおりのことをまっすぐに語り始めた。
彼女がとても器用で族いで、そして私にきな嘘をついたこと。
その嘘の裏にあったいに、いをかけてようやく気づけたこと。