みかん小説
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"元妻の弟に渡した6万円と12年前の手紙" 第19話

その作業の途で、私は1枚の古い用にを止めた。

それは12に、さおりと緒に記入した婚届のコピーだった。

正式な類は役所に提したが、彼女がのためにコピーを取っていたものだ。

側には私の署名と押印、側にはさおりの署名と押印がある。

私はそのをに取り、じっと見つめた。

あの、さおりはどんな気持ちでこのに名をいたのだろうか。

もう続けたくないと言い放ち、ペンを握る彼女のはし震えていたような気がする。

当の私は彼女のたい態度にり、く続きを終わらせることしか考えていなかった。

しかし、今ならわかる。

彼女は自分の命の期限をりながら、私を巻き込まないために必で悪役を演じていたのだ。

そしてこの1枚のによって、私たちは法にとなった。

私はコピー用を2つに折り、シュレッダーの刃に差し込んだ。

ウィーンという械音が部に響き、12のしい決断の証が細かく切り刻まれていく。

このはもう今の私には必ない。

ケースの底の方から、さらに別の類がてきた。

それはさおりと私が緒に暮らしていた頃に加入していた、命保険の証券だった。

受取は互いの名になっていたが、婚と同に私が解約続きをしたものだ。

しかしその証券の裏側に、さおりの字で何かさなメモが残されていることに気がついた。

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「なつみへ。私がんだら、このおで美しいものでもべて」

それはまだ私たちがで暮らし、病気のなど全くなかった頃にかれた。

冗談めいたメモだった。

健康で、未来が無限に続くと信じていた頃の無邪気な言葉。

私はそのメモを指でそっとなぞった。

結果に、彼女が命を削って残してくれたおは美しい事ではなく、このマンションを守るために使われた。

冗談のようなメモ通りにはならなかったけれど、彼女の私をう気持ちの根源はずっと変わっていなかったのだ。

私はその証券をシュレッダーにはかけず、さおりのの原本を入れている箱のにそっと緒に納めた。

これは捨ててはいけない過の部だ。

類の理が終わり、ケースのはすっきりと見やすくなった。

残されたのは今の私の活に必なな類と、さおりが残してくれたの証だけだ。

私はちがり、きく伸びをした。

部の空気も、なんだかし軽くなったような気がする。

ふとスマートフォンの画面がった。

てつや君からのメッセージだった。

「今、初めて料をもらいました」

文章のには、のATMで記帳したばかりの通帳の写真が添付されている。

額は決してくはないが、彼が自分ので稼いだ確かな労働の対価だった。

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私はすぐに返信を打った。

「お疲れ様。よく頑張ったね」

数分、再び彼からメッセージが届いた。

「今度の週末、もしがあればしだけ会えませんか?」

彼はその理由をき添えていた。

「料がたら、なつみさんにお礼をしたくて」

私はし迷った。

彼を支援したのは見返りを求めるためではない。

しかし、彼が自分の稼いだおで誰かに謝を伝えたいとう気持ちは、とても尊いものだ。

ここで私が断れば、彼のその向きな気持ちを削いでしまうかもしれない。

私がそう返信すると、すぐに「ありがとうございます」と元気なスタンプが返ってきた。

「わかった。曜の午でいいかな」

私はスマートフォンをテーブルに置き、窓のの景を眺めた。

てつや君もしずつ自分のをて直し始めている。

さおりのというい事実を背負いながらも、彼はにもうとしているのだ。

私も負けてはいられない。

曜の午、私はてつや君が指定した駅のさなファミリーレストランへ向かった。

彼はすでに窓際の席に座り、メニューをに眺めている。

私に気がつくと、彼はし照れたようにちがった。

「こんにちは。わざわざすみません」

私は彼に労いの言葉をかけた。

「ううん。初任、本当におめでとう」

私が席に座ると、彼は胸を張った。

「好きなもの頼んでください。今は俺の奢りですから」

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