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"元妻の弟に渡した6万円と12年前の手紙" 第16話

私は彼にお茶を突き返し、微笑んだ。

「ううん。違うわ。あのはただ私が昔の族を見過ごせなかっただけ」

私は彼を励ました。

「でも、あなたがそのおを正しく使ったから今があるのよ」

私たちはしばらく、のない世話を楽しんだ。

休憩が終わりにづいた頃、てつや君が真面目な顔になった。

彼は作業着のポケットからさな箱を取りした。

「なつみさん、実は今、渡したいものがあるんです」

テーブルのに置かれたその箱を見て、私は息をんだ。

「これ」

それは1に彼が私に送ってきた、あの黄ばんだ古い封筒だった。

てつや君は箱の蓋をけ、丁寧に折りたたまれた便箋を取りした。

「姉ちゃんのの原本です」

私はその便箋を見つめながら静かに尋ねた。

「私が持ってていいの?」

彼はそう言って、を私のに押しやった。

「姉ちゃんは、なつみさんにいたんですから。12俺が勝に預かっていただけです」

私は震える指で、その古いに触れた。

1に読んだコピーとは違う。

さおりのきた跡がそこにはあった。

文字の擦れ、しインクが滲んだ跡。

全てが、彼女が12にきて、悩み、決断した証だった。

私はを胸に抱き寄せ、さく呟いた。

「ありがとう」

窓の向こうでは、回収された古のがによって分別されている。

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が1度はだと捨てたものが、再び使える形へと分けられ、戻っていく。

その景が、まるで今の私のの状態を表しているように見えた。

私は窓のを見つめながら静かに言った。

「はリサイクルできないね」

私はを撫でた。

「失われた12はどうやったって戻らない。さおりだってもうき返らない」

てつや君は黙って私の言葉を聞いていた。

私は線を彼に戻し、微笑んだ。

「でもね、過のは変えられるんだってわかった」

私は胸のをもう度く握りしめた。

「捨てられたとっていた記憶が、本当は私を守るためのものだった。その真実をることができただけで、私はこの先のをきていける」

てつや君の目に、うっすらと涙が浮かんでいるのが見えた。

彼は声を震わせながら本音をこぼした。

「俺、あのを12捨てられなくて、でも渡せなくて苦しかった」

彼は涙を拭いながら力く頷いた。

「でも、今は渡してよかったってからえます」

私は彼に同した。

「うん。今は渡してくれて本当に良かった」

私は確信を持って言った。

「これは絶対に捨てちゃだめだね」

てつや君も同した。

「はい」

誰かを切にうことと、そののを代わりに決めてしまうことは決して同じではない。

さおりは私をしていたからこそ、違った選択をした。

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私はその違いを許し、彼女のだけをに残すことに決めたのだ。

12遅れて、私はようやく彼女にさようならを言う準備ができた。

休憩の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。

てつや君はちがり、子を被り直した。

「戻ります」

私は座ったまま彼に声をかけた。

「頑張ってね。また顔見にくるから」

彼は笑顔でを振った。

「はい。気をつけて帰ってください」

彼が作業へとっていく背を、私は見えなくなるまで見送った。

リサイクルセンターをると、の涼しいがよかった。

私はバックにしまったさおりのにを触れながら、駅へのを歩き始めた。

自分のは自分で選んできていく。

その当たりの権利を、私は12の回りを経てようやく取り戻したのだ。

空はく澄み渡り、私の取りはどこまでも軽かった。

帰ったら夕の買い物をしよう。

は久しぶりに部の模様替えをしよう。

私のしい常が、静かに、そして確実にき始めていた。

それはもう、誰かの嘘によって閉ざされた孤独なではない。

自分のでを選び、を向いて歩いていく。

私だけのだった。

のでもう1度だけ彼女の名を呼んだ。

さおり、私はもう丈夫だからね。

曜、私はいつもよりく目を覚ました。

カーテンをけると、の柔らかい差しが部のに差し込んでいた。

昨のリサイクルセンターでの来事が、私のにしい活力を与えてくれたようだ。

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