"元妻の弟に渡した6万円と12年前の手紙" 第14話
さおりの嘘によって作りされた、私の空の12。
そのをき換えるための最の所が、目のに迫っていた。
私は息をえ、てつや君の背を追って静かな墓の通をんでいった。
墓の腹にあるさな区画だった。
てつや君がち止まったその所には、しいが質素な墓がっていた。
「相沢の墓」
そう彫られたの表面は、たくを放っている。
私はそのにち尽くした。
てつや君が静かにそう言い、持っていたバケツから柄杓でを汲んだ。
「母さんと姉ちゃんが緒に入ってます」
彼は慣れた様子で墓にをかけ、タオルで丁寧に汚れを拭き取っていく。
私は抱えていた束を、震えるでてに供えた。
の女性が言っていた通り、い菊と百がの美しい束だった。
線にをつけ、静かにをわせる。
煙が細くち昇り、のたいに流されて消えていく。
私は目を閉じたが、のにはまだ理のつかないが渦巻いた。
「さおり」
ので何度もその名を呼んだ。
返事はない。
12ぶりに会いに来たというのに、彼女は何も答えてくれない。
私は声にしてそう呟いた。
「バカだね。本当に」
てつや君は私の言葉を聞いて、しだけろへがった。
私とさおりのに、2だけのを作ろうとしてくれたのだ。
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私は目をけ、墓に向かってはっきりとにした。
「私はってる」
が吹き抜け、束がさく揺れた。
「12、私がどんな気持ちで1できてきたか、あなたはらないでしょう」
言葉にすたびに、胸の奥からいものが込みげてくる。
「してないなんて言われて、族にを使ったなんて嘘を疲れて、私がどれだけ惨めないで自分をごまかしてきたか」
私は墓に問いかけた。
「自分の命より私の活を守りたかったんでしょう。私が残るだってってたから、わざと突き放したんでしょう」
私は首を横に振った。
「でもねさおり、私はそんなものをちっとも嬉しくない」
私は墓にを伸ばし、たいの表面に触れた。
「私に選ばせて欲しかった。緒に苦しんで、緒に泣いて、それでも緒にいるかどうか、それを私自に決めさせて欲しかった」
涙が頬を伝え、墓の台へと落ちていった。
されていなかったとっていた12より、真実をった今の方がずっと苦しい。
でも、その苦しみは私が引き受けなければならないものだ。
「あなたの嘘は優しくて、残酷で、本当にどうしようもない」
私は最の言を絞りし、もう1度くをげた。
「でも、ありがとう」
りと謝。
相反するが、私ので同にしている。
どちらか1つに決める必などないのだと、私はこのたいのでようやく悟った。
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彼女の嘘を許せない気持ちも、彼女のいに謝する気持ちも、どちらも私の本だ。
私は顔をげ、涙を拭った。
ろを振り返ると、てつや君がまっすぐにこちらを見ていた。
「なつみさん、言えましたか?」
私はしだけすっきりした顔で答えた。
「うん、言いたいこと全部言った」
彼はし微笑んで言った。
「姉ちゃんも、きっと泣きながら謝ってるといます」
私たちはしだけ笑いい、再び墓を歩き始めた。
「そうね。あの子泣き虫だったから」
来たよりも、取りはずっと軽かった。
のにあったい塊が、しだけ溶けてさくなった気がする。
駅へ向かう帰り。
私たちはもう度、あの公園のベンチのを通った。
てつや君がベンチに目をやりながら呟いた。
「姉ちゃん、ここでを見ながら何を考えてたのかな?」
私がそう答えると、彼は驚いたように私を見た。
「きっと、あなたのことよ」
私は彼に説した。
「私がちゃんと1できていけるか、配で仕方なかったはずよ」
彼は照れくさそうに笑い、ベンチの横を通り過ぎた。
「そうかもしれません」
さおりの選択は、決して正解ではなかったかもしれない。
でも、彼女が命をかけて守ろうとした私たちのは今ここにある。
私は彼女の嘘を受け入れ、それを背負ってきていく覚悟を決めた。
駅の喫茶に入り、が来るまでし休むことにした。