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"元妻の弟に渡した6万円と12年前の手紙" 第5話

「だから12のを同封します」

てつや君からのはそこで終わっていた。

私は便箋をテーブルに置き、両で顔を覆った。

彼もまた、12このたい秘密を1で抱えてきてきたのだ。

姉との約束を守るために、私に真実を隠し続けるという罪悪を背負いながら。

あのの、彼が見なかったことにしてくださいと言った理由が、ようやくわかった気がした。

自分の惨めな姿を見られたくないというプライドだけではなかったのだ。

私に嘘をつき続けている自分自を直できなかったのだろう。

私はゆっくりと顔をげ、テーブルのに残された黄ばんだ封筒を見つめた。

なつみへ、という文字が私を静かに呼んでいるようだった。

さおりが2にんでいたという事実は、私の提を全て覆した。

彼女がどこかできているという提があったからこそ、私は彼女をむことができた。

しかし、者に対してはどうりを向ければいいのだろうか。

そして、彼女がの際まで私に隠そうとしたこのには、体何がかれているのか。

私は震えるを伸ばし、古い封筒をに取った。

12といういを経たは、指先で触れるだけでカサカサと乾いた音をてた。

封はされておらず、折り込まれているだけだった。

には折りたたまれた数枚の便箋と、何かのコピー用のようなものが挟まっているのが見えた。

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私はく息を吸い込み、部の静寂のでその便箋をゆっくりと引きした。

古い封筒から引きした便箋は、全部で5枚あった。

1番にねられた1枚目を、私は両でそっといた。

部のかりに照らされた便箋には、121度も見ていない見慣れた文字が並んでいる。

の端にかれた付を見て、私の呼吸がわずかに止まった。

それは今から12の付だった。

さおりが突然、もう続けたくないと私に婚を切りした。

そのちょうど2週の付が、そこにはっきりと記されていた。

私は乾いた喉を鳴らし、震える目で最初のを追った。

「なつみへ。このは分渡さない」

そのきしに、私の胸は鋭く締め付けられた。

渡すつもりがないを、彼女はどうしていたのだろうか。

誰にも言えない苦しみを、どうしても文字にして吐きしたかったのかもしれない。

私は無識のうちに、便箋を持つに力を込めていた。

「今、検査結果を聞きました。っていたよりよくありませんでした」

検査結果。

その4文字が、私のので警鐘のように鳴り響いた。

文字を追う私の界が、急激に揺れ始めた。

12のあの頃の記憶が、鮮にフラッシュバックしてくる。

婚を切りされるしから、さおりは急に変わった。

帰宅が遅くなり、での会話が極端に減った。

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私が未来の話をしようとしても、彼女はいつも線をそらして避けていた。

私はその理由が分からず、彼女のがれてしまったのだとい込んでいた。

何かあった、と私がそう聞いた、彼女は線をわせずに答えた。

「何もない」

私が何かしたとねて問い詰めても、彼女は背を向けたままだった。

あののよそよそしさは、浮気でも仕事でもなく、病院に通っていたからなのだ。

私は便箋のになっていた、もう1つの片に目をやった。

てつや君が同封してきた、古い診療記録のコピーだった。

そこには、さおりの名と、便箋と同じ12の付が印字されている。

医師の診断名と、今の治療方針についての々しい記述が並んでいた。

1で検査を受け、1でこの残酷な結果を聞きにっていたのだ。

私が何もらずに無神経な言葉をぶつけていた、彼女はどんないで耐えていたのか。

診療記録のコピーをテーブルに置き、私は再び便箋に目を戻した。

「治療、通院、これからの仕事、将来のこと。いつどこまで悪くなるか、先にも分からないと言われました」

そこには、彼女の正直な気持ちがかれていた。

「正直に言うと、とても怖いです」

気丈でいつも族を支えてきたさおりが、怖いと音を吐いている。

その事実だけで、私の目から粒の涙が溢れ落ちた。

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