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"元妻の弟に渡した6万円と12年前の手紙" 第4話

私はまず、テーブルに置かれた4万円を見つめた。

お札はどれもしシワが寄っていて、彼が必に元に残していたものだと直させた。

彼がさらにおを求してくるという私の予は、完全にれていた。

むしろ、私が無理やり握らせた6万円のうち、3分の2を返してきたのだ。

どういうつもりなのか全く理解できず、私は便箋の1枚目をに取った。

そこには、先ほどの差と同じ黒いボールペンで几帳面に文字が並んでいた。

「2万円だけ使わせてください」

はそんな唐突な文から始まっていた。

「残りは返します。本当にすみませんでした」

私は便箋を持ったまま呆然とした。

昔のてつや君なら、もらったおは全て自分のために使い切っていただろう。

それが今は、ので震えながらも必な最限のお以を律儀に返してきている。

あの惨めな台を引いていた彼の姿と、この4万円がなった。

彼は今、必に自分のでとうとしているのではないか。

私の彼に対するたい認識が、音をててしだけ崩れた。

私は線をかし、テーブルの端にある古い封筒に目をやった。

真っだったはずのは、いを吸い込んだように茶く変している。

表にはたった言だけかれていた。

「なつみへ」

その3文字を見た瞬、私の臓がきくねた。

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違いない。

几帳面でしがりの癖がある、その文字はさおりのものだった。

121度も見る会のなかった元妻の直だった。

なぜこんなものをてつや君が持っているのか。

なぜ12も経った今になって私に送ってきたのか。

封筒には触れず、私は震えるでもう度てつや君の便箋に目を戻した。

その先には、私が全く像もしていなかった言葉が続いていた。

便箋の2枚目に、い圧でかれていた。

「でも、このおを受け取るなら、俺も返さなきゃいけないものがあります」

私はの続きをい入るように読んだ。

「同封したは、姉ちゃんから絶対に渡すなと言われていました。姉ちゃんは最までそれを俺に押ししました」

そして、次の文章が私の目にび込んできた。

「でも、姉ちゃんはもういません」

私は息をんだ。

もういません。

その言葉のを、私の脳は反射に拒絶しようとした。

くへ引っ越したとか、私のの届かない所へったというであってほしい。

そう願う気持ちを打ち砕くように、次のくだりには残酷な事実が記されていた。

「姉ちゃんは、2にくなりました」

膝の力が抜け、私はそのままダイニングチェアに座り込んだ。

部のの空気が瞬にして凍り付き、計の秒針の音すら聞こえなくなった。

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さおりがんだ。

2に、この世からいなくなっていた。

12、私は彼女がどこかでしい活を楽しんでいるとばかりっていた。

自分を犠牲にしてまで守った族に囲まれ、笑ってきていると信じていた。

私が1で孤独な夜を過ごしているも、彼女は幸せなのだとみ続けてきた。

それが全て、私の勝ない込みだったというのか。

胸の奥からたい塊がせりがってくるのをじた。

界がぼやけ、便箋の文字が滲んだ。

私は袖で乱暴に目を拭い、続きを読んだ。

「ずっと苦しんで、最は静かに息を引き取りました。姉ちゃんが、なつみさんには絶対にらせるなと最まで言いました」

その理由が、酷な文字でかれていた。

「しいへ引っ張り戻すなと」

その言葉に、私はギリッと奥歯を噛み締めた。

しいへ引っ張り戻すな。

それはどこまでも彼女らしい、勝な言い分だった。

私がこの12、どんな気持ちで過を封印してきてきたのか。

彼女は何も分かっていない。

らせないことが優しさだと、最までい込んでいたのだ。

りともしみともつかない激しいが、胸の奥で渦を巻いた。

便箋は最の1枚になっていた。

私は震える指でページをめくった。

「でも、俺はもうその約束を守れません。んだとの約束で、きているをこれ以傷つけるのは違うといました」

てつや君の言葉は、そこで締めくくられていた。

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