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"青い痣と一冊の手帳" 第18話

裁判所の自ドアをくぐり、指定された待フロアへを踏み入れた瞬だった。 フロアの子に、見覚えのあるつのがあった。 義母と、だった。

「……っ」 の姿を瞥した瞬、私は息を呑んだ。 かつて傲にふんぞり返り、私を見して鳴り散らしていたあの尊な男の面は、どこにもなかった。勾留と社内調査のストレスによるものだろうか、頬はげっそりと削げ落ち、スーツの肩幅が余るほど痩せ細っていた。目のには濃い隈が刻まれ、見るもなく憔悴しきっている。 その隣で、義母もまた落ち着きなくキョロキョロと周囲を見回していた。

私との姿を界に捉えた瞬はピクリと肩をげ、自嘲気で笑った。

「……ハッ、わざわざ息子まで引き連れてきやがって。をコケにして、そんなに楽しいかよ」

掠れた、だが刺々しい声だった。 私はややかな線を向け返した。 (先にを踏みにじり、暴力を振るい、裏切り続けてきたのはどちらだったのかしら……) 言い返す価値すらじない私をに、今度は義母がを乗りし、ハンカチを握りしめて甲い声で責めててきた。

「本当に、恩を仇で返すような真似ばかりして! 育ててやった夫にで砂をかけるような真似をして、恥ずかしくないのかい! こんな性悪な嫁、最初から結婚させるんじゃなかったわ!」

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義母のから次々と極まりない罵詈雑言。 どこまでっても、このは自分たちの非を認めないのだ。自分が犯した罪、妻や母に対して与えてきた計りれない肉体・精神苦痛に対して、反省の欠片すら抱いていない。 私がりを込めてこうとした――その瞬だった。

私のに、スッとた。

は義母と父親を、まるで傍のころでも見るかのような徹な差しで見ろした。 そして、静かに、だがフロアに響き渡る決定な言葉を放った。

「――みっともないよ、ばあちゃん」

その言に、義母のきがピタリと止まった。 顔から血の気がサーッと引いていき、信じられないものを見るかのように目を見く。 「え……? か、……? あんた、今なんのおばあちゃんに……」 「聞こえなかった? みっともないって言ったんだよ。自分が母さんに何をしてきたかも忘れて、被害者面して喚き散らしてさ。……あんたたちのそういう醜いところが、底軽蔑するよ」

はそれ以、義母の顔を見ようともしなかった。 「こう、母さん。こんな奴らの相をするだけの無駄だ」 はそう言って私のを引き、々と礼する私を促して、れた別の待スペースへと向かった。

から、「! 待っておくれ、!」とすがりつくような義母の鳴が聞こえたが、息子が振り返ることは度となかった。

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ソファーに腰掛けたは、どこか吹っ切れたような、清々しい笑顔を私に向けた。 「……ずっと言いたかったこと、全部言えたよ。スッキリした」 その横顔を見つめながら、私は胸の奥底から込みげる謝のに震えていた。

そのの調は、こちらの圧倒な勝利で幕を閉じた。 記録していた克な証拠ノート、暴力の音声データ、医師による詳細な診断、そして私が突き止めた会社での正経理の証拠。反論の余など何つ残されていなかったは、弁護士同席のもと、提示された婚条件をすべて全面に受け入れるしかなかった。

提示された慰謝料と財産分与の支払いを認め、に対する今の学費の負担を誓約させ、そののうちに婚届への署名と捺印がわれた。 役所での続きを終え、渡されたしい戸籍謄本をにした瞬、私の胸を押し潰していたたい鉄の鎖が、音をてて々に砕け散ったような解放を覚えた。

私は、と完全にになったのだ。

元のママ友から届いた連絡で、そのの義実の顛末をることとなった。 義母が私の私物をにぶちまけ、所に聞こえる声で罵倒していた部始終は、民の数に目撃されていた。さらに、警察がを連していった事実も瞬くれ渡り、義母の流した「嫁の浮気逃説」

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